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「海藻を毎日食すると発癌」はやはり誤り
追跡調査がなされていなかった「昆布ダシ摂取」
「毎日海藻を食すると発ガン」に関するまとめは
コチラ
2012年4月11日に報道された、「ワカメやコンブなどの海藻をほぼ毎日食べる40代以上の女性は、あまり食べない女性に比べて、甲状腺がんの一種になるリスクが高まるとする研究結果がまとまりました。」の件に関し、
過去の記事
で「訂正されるべき研究発表」だと書きました。やはりそのようであったようです。
4/11には国立がん研究センターさんや国立環境研究所さんのホームページを調べても、その研究内容が見つけることができませんでした。しかし最近になって
その研究内容
を癌研究センターさんのホームページで、やっと見つけました。その「まとめ」に書かれていた文言です。
「この研究で使用した食事に関する質問票調査では、ヨウ素摂取量を推定することが難しく、直接ヨウ素摂取と甲状腺がん発生との関連を検討できなかったところがこの研究の限界です。」
今回の研究発表は、ヨード(ヨウ素)が閉経後の女性に与える悪影響に関するものであったはずです。しかしヨウ素摂取量は把握できていなかったということが、曝露されています。すなわち不確かな前提条件(ヨード摂取量)の上になされた研究、ひとことでいえば「ナンセンス」です。「・・・研究結果がまとまりました。」と報道されましたが、これは誤報もしくは間違ったプレスリリースであって、到底まとまりのある結論とはいえないでしょう。
私が4/11の記事で「異議あり」と書いた理由は、@ヨード(ヨウ素)含有量が10倍も違うコンブとワカメを同列に扱ってしまっていることと、A国立環境研究所のデータ収拾方法が不適切である可能性が大きいと感じたからです。
@については他の記事でも書きましたので、割愛します。Aについては不確かなために「私ならこう調査する」とだけにとどめて論じませんでしたが、やはりデータ収集方法に問題があったようです。今回の研究に使用されたと思しきアンケート内容は、国立環境研究所さんのホームページに掲載されています。
過去の記事でも書きましたが、ヨードの過剰摂取で甲状腺の疾病が発現した事例は、コンブのみです。それも現在では、コンブをダシとして使用した場合に限られます。栄研(日本健康・栄養研究所)さんが中心となって設定する栄養摂取基準のヨードの上限摂取量(2.2mg/日)は、この事例も加味されたものです。
このアンケートは、重金属全般の摂取についての調査を行ったもののようです。6ページ目の内容を見てすぐにお気づきだと思いますが、「煮干し・いりこダシを使用した味噌汁」の摂取頻度は調査されていますが、「昆布ダシを使用した味噌汁」については、一切調査されていません。今回の研究に欠かせない、イチバン重要な調査が欠落しているのです。
まとめでは「この研究の限界」と、簡単に結論づけられてしまっています。しかし「昆布ダシの摂取頻度」が調査されていたなら、限界でなかったはずです。要は準備不足または認識不足による、研究であったわけです。もし縦割りの研究ではなく、本来の情報発信機関である栄研さんが主体となって研究がなされていたのなら、まず間違いなく昆布ダシの追跡調査はなされていたでしょう。
日本の長い歴史において、確固たる根拠もなしに国家機関が自国の文化を否定したことなど、なかったのではと思います。ましては海藻をふんだんに使用した和食は、日本の長寿を支えてきたことには、疑いがないはずです。大震災等で祖国の傷もまだ癒えていない今だからこそ、もっと慎重になされるべき研究発表ではなかったのではと思います。
ただ1点のみ、今回の追跡調査は、貴重なことを示唆していると思います。これまでは昆布の多量摂取による疾病発生事例は、あまり報告されていませんでした。しかし今回の調査により、昆布の過剰摂取が甲状腺ガンの発症率を高めていると考えるのが、妥当でしょう。イチバン危険度が高いのは、ヨードをほとんど摂取してしまう昆布ダシです。
別の記事
に書きましたが、昆布のヨード含有量は5mg/gです。国の摂取基準に照らし合わせて杓子定規に考えれば、昆布は0.5g/日が限界です。伝統的な昆布ダシの場合は4gの使用で、伝統を重視する場合でも、昆布ダシの味噌汁は1食にとどめるべきでしょう。昆布ダシが好きの方は、昆布を30分浸してヨード抜きを行うか、合わせダシにして昆布の使用量を減らすなどの、工夫が必要かもしれません。
また、昆布ダシを多用する地域は、たいして長寿ではありません。昆布をまるごと食する地域が、長寿を誇ります。やはり昆布に関しても、「一物全体」が大事といえましょう。一物全体の料理にすれば、ヨード含有量を大幅に下げることも可能です。今回の研究結果はある側面から、一物全体の啓蒙に役立つかもしれないと思います。
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