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海藻を毎日食べる女性に発ガンリスクに異議あり
〜 昆布とワカメは区別されるべき! 〜
(「毎日海藻を食すると発がん」のまとめは
コチラ
)
私は幼少の頃より母親から「昆布はとても健康に良い食品。でも食べ過ぎると毒。」と、教えられて育ちました。これは四方を海に囲まれ海藻を常食とする、日本人の知恵です。昆布と他の海藻は、区別する必要があります。
今回の「ワカメやコンブなどの海藻をほぼ毎日食べる40代以上の女性は、あまり食べない女性に比べて、甲状腺がんの一種になるリスクが高まるとする研究結果がまとまりました。」とのニュースを知るに及び、私は驚いてしまいました。毎日適量な範囲の海藻摂取でさえ、「食べ過ぎ」と決めつけてしまっているのです。
この報道のあとしばらくして、弊社サイトや当ブログに、「ヨード 海藻」、「もずく ヨード 発ガン」などのキーワードでのアクセスが、急激に上がっています。恐らくは少なからずの方々が、当惑しておられるようです。きっと健康のために、毎朝三杯酢の入った沖縄モズクを食していらっしゃる方々が、週2回に減らすことを検討されているのではないでしょうか・・・。
余りにも非科学的な研究と、言わざるを得ません。私が「適切な研究でない」と否定する根拠は、今回の研究者が「昆布(コンブ)」も「ワカメ」も同列に扱ってしまっていることです。コンブのヨード含有量は、グラム当たり5mgです。一方わかめのヨード含有量は、コンブの1/10です。(
詳細は別の記事
) カットワカメともなると、もっと低くなります。
私がもし研究の追跡調査をするなら、「海藻は何を食したか?」、コンブであれば、「それはダシとしての使用か?」などと、正確に調査していきます。なぜならヨード摂取においてイチバン気をつけなければならないのは、味噌汁等に使用する場合のコンブです。ほぼ100%のヨードが、お味噌汁に溶出するからです。
別記事にも書きましたが、ヨードは水溶性のミネラルです。昆布を30分水に浸すだけで、90%のヨードは水に溶出します。だからコンブを煮たものであれば、残り汁を飲まない限りは、ヨード含有量はそれほどでもありません。また二番ダシや一番ダシで使用した昆布で作った佃煮の、ヨード含有量は微量です。
別記事
でも書きましたが、あの原発事故が発生した際に「放射線医学総合研究所」より発せられた安定ヨウ素剤に関する注意喚起でも、ワカメと昆布は同列に扱われていました。失礼な言い方になってはしまいますが、学者さんたちはコンブとワカメの区別ができていないようです。
ウソのようなホントのお話なのですが、「ワカメは昆布を薄くスライスしたもの」だとか、「ワカメは昆布の子供」などと、勘違いされている方もおられます。昆布は薄くスライスしても昆布であり、小さい時から昆布は昆布です。生物学的には、下記の通りです。
コンブ:渇藻綱 コンブ目 コンブ科
ワカメ:渇藻綱 コンブ目 チガイソ科
この違いは陸上植物でたとえるなら、たとえば同じイネ科の「パイナップル」と「米」の違いに相当します。ぜんぜん違う、海洋植物なのです。
従って、今回の研究を国民への注意喚起とするのであれば、「閉経女性はコンブの多量摂取に注意。甲状腺ガンのリスクが高まる恐れあり。」とするべきでしょう。伝統的なダシの取り方であれば、1人前あたりコンブ4gが一般的です。ヨード摂取量は20mgに達し、朝夕食した場合は数十mg、それは上限摂取量の15倍に相当するからです。
ただし、上記の昆布ダシをふんだんに含む食事が、健康に悪いとは言い切れません。なぜならコンブの消費量が多い都道府県ほど、平均寿命が長いからです。とくに沖縄のようにコンブを丸ごと食する地域は、最長寿命となります。またヨードは豆類と一緒に食することにより、毒性は低まります。
今回のこの研究報告により、2つの大きな弊害が生じると思います。1つは、海藻を食する機会を少なくすることによる、糖尿病や大腸ガン、脳卒中等の発生のリスクの増大です。おばあちゃんがおられる家庭では、当然ながら海藻摂取の低下が見込まれるでしょう。また閉経していない女性でさえも、海藻を食することを控えることも考えられます。
メカブやモズクなどの渇藻類には、ご飯と一緒に食すると、血糖値を上げにくくするアルギン酸が豊富に含まれます。また渇藻類にはラミナリンという血圧を下げる優秀な成分も含まれています。またフコイダンとよばれる成分は、脳卒中の防止や発ガンを抑える優れた成分です。
ちなみにモズクやメカブは、乾燥体換算でフコイダンを10%も含有する、きわめて優れた食材なのです。コンブは5%です。樹脂製容器入り3ヶ組みでスーパーでよく見かける酢を加えた商品は、味覚面での素晴らしさもさることながら、消化・吸収面でも完成度の高い製品です。1食分はヨード含有量は、せいぜい1mg程度。朝晩食しても問題が出るとは考えにくいと思います。
毎日モズクを食していた閉経後の女性が、週に2回しか食しないことにより健康や生命を害したら、いったいどなたが責任をとられるのでしょうか・・・。
もう一つは、ワカメ等の他の海藻に対する風評被害です。
いくら最後に「死亡率を下げる健康によい食品なので・・・。」と海藻を擁護したとしても、イメージダウンによる消費低下は避けられないでしょう。とくに震災からの復興で頑張られている、三陸わかめの生産者の方々にとっては、今回の歪な研究発表は、あまりにも酷な仕打ちだと思います。コンブとワカメの区別ができない学者さんたちが、ワカメの生産者をいじめているとしか、私の眼には映りません。
今回のこの研究発表は、長寿国家である日本の食文化を破壊し、国民の健康を逆に損なう恐れを感じられずにはいられません。コンブとコンブ以外の海藻の区別をつけた上で、早急に真実に基き、訂正されるべき研究発表だと思います。
(追記)
恥ずかしながら「国立環境研究所」という独立行政法人の存在を、初めて知りました。しかし環境省所管の同研究所がなぜこのような研究を行うかは、私にはまったく理解できません。なぜなら厚生労働省所管に、(独)国立健康・栄養研究所(略称:栄研)があり、ヨードを含む栄養素の摂取量の策定が行われます。
今回のような研究が行われるのであれば、栄研でなされるべきでしょう。同研究所には斎藤衛郎先生のような優れた方がおられ、バランスのとれた情報発信をして下さいます。栄養摂取に関することは、栄研さんだけで充分ではないでしょうか。同じような研究をする組織が多すぎると、国民は困惑してしまいます。
失礼な表現になるかもしれませんが、発表すること自体が目的であったようにも感じられます。また、なぜこのような研究内容を、国立環境研究所がしなければならなかったのか、なぜ食品中の放射能の新基準値がスタートしたこのタイミングに・・・。私たち一般国民には非常にわかりにくく、また疑心暗鬼にさえも駆り立てられます。
そしてもう一点、これだけヨードが問題視される割には、「食品標準成分表」には決してヨード含有量が掲載されない、現在の
ヨード行政
がそろそろ改められる時期にきているかもしれません。
(
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