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GKU平成のまとめ 第4章
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( 前章 よりの続き) この章では、グリチルリチン酸ジカリウムを含有する薬草の甘草の長期使用の是非と、注意すべきグリチルリチン酸ジカリウム配合コスメ等スキンケア製品や用法について、書きたいと思います。 −1.漢方での甘草の長期連用はタブー アトピー性皮膚炎の患者さんは別として、健常者の方でステロイド剤を長期間にわたって使い続ける方は、まずおられないでしょう。薬効の強いステロイド剤を長期連用すれば、ステロイド剤なしではお肌が逆に腫れあがるなどの副作用に陥り、のちのち大変なことになるからです。いわば麻薬などと同様の、中毒性があります。そのため、ステロイド/副腎皮質ホルモンが配合された薬剤を使用する際は、長期間だらだらと使い続けるのではなく、限られた短い期間で肌荒れ等の鎮静を達成すべきです。これがステロイド剤を使用する上での、正しい使い方といえるでしょう。 日本で古来より確立されてきた漢方薬の世界でも、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチリルリチン酸2K)を主成分とするカンゾウ根エキスや甘草根は、長期連用してはならないとされています。漢方薬の処方のうちの6割〜7割が、甘草が配合されていますから、6割以上の漢方薬は長期服用は掟破りということになります。 この甘草エキスの主要薬効成分であるグリチルリチン酸ジカリウムが、外用薬として配合された場合は、配合量が低い場合は、ある程度の期間は連続使用は可能のようです。しかし外用薬の主要薬効成分として用いられた場合は、やはり長期連用は不可となるようです。 このタブーを冒して長期連用した場合の副作用としては、高血圧(偽アルドステロン症)や浮腫の発症が知られています。その他にも目に見えない怖い副作用としては、免疫低下が挙げられます。すなわち、感染症に陥りやすくなる可能性が高まるということです。これはさすがに数値に表すことは難しいですが、急に常在菌(日和見菌)に対して抵抗力がなくなって、ニキビができやすくなるなどが考えられます。 グリチルリチン酸ジカリウム配合コスメを長期連用したからといって、偽アルドステロン症が発生するといった事例は、今のところ報告されていないようです。しかし内服・外用にかかわらず、甘草またはその主要薬効成分であるグリチルリチン酸ジカリウムが高配合されている製品は、ステロイド剤と同様に長期連用すべきでないということです。あくまでも目的をもって、短期的に使用するに限って、甘草やグリチルリチン酸ジカリウム有用性を、高い安全性をもって享受できるというのが、前人の教えというわけです。その先人の教えをないがしろにしたから、ロドデノール白斑事故や加水分解小麦アレルギー事故などが発生したと、考えるべきでしょう。 (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) −2.グリチルリチン酸の副作用の出る量とは? これまでグリチルリチン酸ジカリウム(グリチリルリチン酸2K)配合コスメを長期連用する危険性について、いろいろと書いてまいりました。それではいったいグリチルリチン酸ジカリウムがどの程度の配合量の化粧水等コスメや薬用化粧品(医薬部外品)であれば、毎日使っても安全性が高いかという問題に、突き当たることとなります。法令的に定められている化粧品の場合の配合率の上限は、次のとおりです。 @ 粘膜に使用されない且つ洗い流すもの: 0.8% A 粘膜に使用されない且つ洗い流さないもの: 0.5% B 粘膜に使用されるもの: 0.2% 薬用化粧品を含む医薬部外品の場合は、上記@に相当する薬用シャンプーや薬用リンス等のヘアケア製品の場合で、同じく0.8%となります。上記Aに相当する薬用美白化粧水などでは、化粧品より少ない0.3%です。上記Bに相当する歯磨き粉などでは、同じく0.2%となります。これらの化粧品や医薬部外品へのグリチルリチン酸ジカリウムの配合量の上限以下であれば、毎日適量を常識範囲内で使用している限りでは、重篤な副作用は出ないであろうというものです。 しかし弊社の今までの経験より、、お肌の健康、すなわち美肌を保つ観点から考えるのであれば、それらの数値に囚われるべきではないでしょう。たとえばグリチルリチン酸ジカリウムを配合したコスメ/化粧品や薬用化粧品を塗布した直後にグリチルリチン酸ジカリウムを配合していないスキンケア製品よりも著しくお肌が美白(偽美白)されるのであれば、それはすでに「血行不全」や「新陳代謝低下」の副作用を起こしているということです。すなわち、実際に使用してみれば、その危険度がはっきりとわかるわけです。 そのような偽美白効果の強い化粧水/薬用化粧水を、たとえば朝7時に塗布して夜7時まで白くあり続けるということは、美肌作りに大切な新陳代謝の機会を、半日も奪っているということになります。そしてさらに就寝前にもグリチルリチン酸ジカリウム配合化粧水等を塗布したり、グリチルリチン酸配合石鹸などで洗顔をするのであれば、ほぼ一日じゅう新陳代謝がまともにできないことになってしまいます。このような状況下であれば、お肌は老化する一方でしょう。肌代謝/デトックス不全に陥り、デトされるべき汚い老廃物もお肌に溜まるわけですから、お肌が黒ずんだりくすむのは、当然のことでしょう。 何らかの目的があって短期的な使用であれば、お肌を偽美白するグリチルリチン酸ジカリウム配合品の短期間の使用は、やむを得ないでしょう。しかし常用するのであれば、、お肌が白くならない程度のグリチルリチン酸ジカリウム配合品に、とどめておくべきでしょう。そして使用頻度も可能な限り少なくして、新陳代謝を少しでも阻害しないことが望まれるでしょう。 その程度であれば安全であると、もちろん申し上げているわけではありません。あくまでも、必要がないのであれば、グリチルリチン酸ジカリウムが配合されたスキンケア製品を使用すべきでないというのが、アルガアイの考えです。 (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) −3.GKU過剰摂取をどう避ける? このようなリスクがあるグリチルリチン酸ジカリウムですが、意図的に同成分を配合した化粧品等を求める方は、それほど多くないようです。知らないうちに同成分を配合した化粧品や薬用化粧品を使い出したというケースが、大半といってもよろしいでしょう。 弊社は手作り化粧水の材料や容器も販売している関係上、自称「超敏感肌」のお客様よりよくお問合せを頂戴します。その際に話題がお客様がお使いの化粧水に移った時点で初めて、お客様がグリチルリチン酸ジカリウム配合品であることに気付かれる例がよくあります。 知らないうちにグリチルリチン酸ジカリウム配合品を使用する方には、いくつかの傾向があるようです。主だったものを列記すると、下記のようになります。 @ 美白効果追及志向 とにかく美白効果に強い憧れがあり、美白効果が宣伝されている薬用化粧水等コスメを見つけると、成分などはチェックせずに購入して使ってしまうタイプの方です。冒頭のお肌がデコボコになった女性は、まさにそのタイプの方でした。もちろんその美白効果は「偽美白効果」なのですが、その効果にぞっこんほれ込んでしまいます。そしてその間はどんどんお肌が劣化し、化粧ののりが悪くなったりお肌がくすんでくることとなります。 A ゴージャス追求志向 たくさんの種類の美肌成分が「贅沢」に配合されているコスメを、選択する傾向がおありの方です。効果は別として、とてもリッチで贅沢な気分になれるともうかがいます。そのような傾向がおありの方はまた、ゴージャスなパッケージやボトルのデザインにも、引き寄せられる傾向ががおありのようです。 しかし多種の化粧品成分が配合されるということは、美容成分が増える分だけアレルギー性皮膚炎等のリスクは高まります。それを抑えるために化粧品メーカとしては、グリチルリチン酸ジカリウムを配合せざるを得なくなるわけです。乾燥肌、脂性肌、混合肌または乾燥性敏感肌であっても、化粧水や保湿クリームや乳液や美容液やフェイスパックや化粧下地クリームに至るまで、可能な限りグリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)不使用の化粧品/コスメを選ぶべきでしょう。 今までお客様より頂いたご意見や情報から、このようにまとめてみました。不必要なグリチルリチン酸ジカリウムの連用を避けるためには、@過度な美白効果の追及は控え、Aできるだけシンプルな配合のコスメを選択し、B保湿は日ごろから心がけておくことが肝要といえるでしょう。そうすることによって、知らないうちにグリチルリチン酸ジカリウム配合コスメや薬用化粧品を購入することも使用することも、激減するでしょう。 (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) −4.GKU配合商材使用時に避けるべきこと これまでに書いてまいりましたように、お肌を少しでも美しくしたいのであれば、グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルレチン酸2K)配合品化粧水・美容液等化粧品や薬用化粧水等医薬部外品は、可能な限りさけるべきでしょう。しかし既にお使いのもので、お肌が極端に偽美白されない同化粧品成分配合スキンケア製品であれば、まだ副作用は穏やかであるかもしれません。そこでグリチルリチン酸ジカリウム配合商材をお使いの方向けの危険性情報として、やってはならないことを書きたいと思います。 @化粧水等の過度な重ね塗り 信じられない方もいらっしゃると思いますが、化粧水1瓶を数日で使い切る方が、まれにいらっしゃるようです。化粧水塗布後に角質層内に化粧水が吸収されれば、少なからず透明感が出てきます。その透明感を楽しみたいがために、1度に数十回も化粧水を掌にとって、繰り返し重ね塗りをするわけです。もしその化粧水にグリチルリチン酸ジカリウムが配合されているのであれば、安全確保のための上限配合量などはまったく意味をなさないこととなります。とても危険です。もっともそのような場合は、合成界面活性剤や防腐剤等の他の化学物質等の添加物で、超敏感肌に陥っている場合が多いようですが・・・。 A同成分配合コスメの重複 偽美白効果に魅せられた方は、グリチルリチン酸ジカリウム配合洗顔石鹸で洗顔し、グリチルリチン酸ジカリウム配合化粧水でやグリチルリチン酸ジカリウム配合美容液やグリチルリチン酸ジカリウム配合乳液で保湿するといった、グリチルリチン酸ジカリウムを重複して経皮摂取している方は、決して少なくないようです。また薬用化粧品でシリーズ買い/セット購入した場合などは、注意が必要でしょう。せめてグリチルリチン酸ジカリウム配合品は一つにするなどの工夫をしなければ、やがてはすっぴんを見せることができないといった状態に、陥るかもしれません。 ( 次章 へ) (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) |
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