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GKU平成のまとめ 第3章
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( 前章 よりの続き) この章では、グリチルリチン酸ジカリウム配合美白化粧品を長期使用することにより、美肌が失われるメカニズムについて、書きたいと思います。 −1.グリチルリチン酸2Kのステロイド様作用 ご存知のようにグリチルリチン酸ジカリウムにはステロイド様作用がありますが、これはグリチルリチン酸ジカリウムとステロイドの分子構造が酷似しているためだとされています。代表的なものとして、抗炎症作用や抗アレルギー作用が挙げられます。ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の代わりとして、グリチルリチン酸2Kを用いることも可能というわけです。 一方、同じ働きをしないまでも、ステロイド剤とは違った経路で作用して、結果的には同じ作用を及ぼす例もあります。「糖化」に関することは、まさにそれに該当します。この場合の「糖化」とは、たんぱく質や脂肪をブドウ糖に変えるという意味で、最近注目されている、最終糖化産物(AGEs)を産生する作用である「糖化作用」、いわゆる「メイラード反応」とは別のものです。 医療の現場でステロイド剤が必要とされる例として、ショック状態の低血糖の危険な状態の救命措置として、ステロイドが投与される場合があります。これは、ステロイド剤が糖化を促す副腎皮質ホルモンと同様の働きをして、体内での糖化促進して、血糖値を上げる効果を期待してのものです。 糖化に関与する副腎皮質ホルモンには、活性型のコルチゾールと不活性型のコルチゾンがあります。活性型とは、糖化させる力のあることを意味します。ステロイド剤の主要な有効成分は、この活性型のコルチゾールというわけです。 この活性型のコルチゾールは、生体内から分泌される“11β-HSD2”と呼ばれる変換酵素により、不活性型のコルチゾンに変換されることが、最近明らかとなっています。また一方では、不活性型のコルチゾンを活性型コルチゾールに変換する酵素“11β-HSD1”が分泌されることも、わかってきています。これらの酵素は、体内での活性型のコルチゾールの量を制御することで、血糖値を正常にコントロールする働きがあります。 グリチルリチン酸ジカリウムは、活性型のコルチゾールを不活性型のコルチゾンに変換する酵素“11β-HSD2”の働きを、妨害することが明らかとなってきました。つまり、ステロイド剤の場合は直接的に働いて血糖値を上げますが、グリチルリチン酸2Kの場合は違う経路をたどって、血糖値を上げるということです。当然のことですが、薬用化粧水や化粧品を使用する方は、血糖値を上げることなど必要としていません。 このようにグリチルリチン酸ジカリウムがもつステロイド様作用とは、ステロイド剤と同じ経路をたどって効果を発揮する場合もあれば、ステロイド剤とは違う経路をたどって同じ効果を発揮する場合もあるようです。そして先ほどの招かれざる副作用は、美肌作りとは真逆のベクトルとして、大きく作用することとなり得ます。 なお、グリチルリチン酸ジカリウムによるステロイド様作用は、ステロイド剤とは比べ物にならないほど微弱といった見方もあるうようです。この件につきましては、後段にて述べたいと思います。 (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) −2.グリチルリチン酸2Kが皮膚を老化する可能性 お話はグリチルリチン酸ジカリウム(グリチリルリチン酸2K)より少々逸れますが、糖尿病にかかった場合は血糖値が上昇し、溢れた糖分が全身のあらゆる部位を損傷することが知られています。お肌もしかりで、お医者さんによっては皮膚のハリなどで、病状の進行状態を推し量ると聞き及びます。まさにお肌は、その人の健康状態を映し出す、鏡というわけです。 お肌のこの劣化は、今話題の糖化作用(メイラード反応)によるものです。行き場を失った遊離等が、皮膚組織のタンパク質と結びつくわけです。だいたいにおいて糖尿病患者さんの場合は免疫力が低下しているため、皮膚組織の壊死にも直結するようです。 お話はグリチルリチン酸ジカリウムに戻りますが、前項の第7章では糖化に関するステロイド様作用を中心として書きました。じつはこのステロイド様作用が、糖尿病患者さんのお肌と似た状態に導く危険性があるのです。 グリチルリチン酸ジカリウムが配合された化粧水等化粧品が塗布された部位は、その皮膚内部で活性型コルチゾールが増え過ぎたままとなってしまう点です。これはお肌の健康にとっては、ゆゆしき事態です。肌内部では遊離糖が過剰に作り出されて、行き場を失うこととなります。その結果糖分は肌細胞と結びついて大量の最終糖化産物(AGEs)を生成してしまうという理論が、成り立ってしまいます。すなわち、グリチルリチン酸ジカリウムが肌細胞内のメイラード反応を促し、皮膚組織を老化させるということです。また、グリチルリチン酸ジカリウムは、肌内部のタンパク質を分解して糖化するため、お肌のハリや弾力が低下させる疑いもあります。 グリチルリチン酸ジカリウムによる皮膚の老化促進作用に関しては、海外でも日本でもまだまだ本格的な議論はまだ起っておらず、またその危険性の証明もされていないようです。そのために上記第4項の「グリチルリチン酸ジカリウムデメリット」では、この糖化による皮膚の老化促進作用の疑いを、あえて記述しておりません。しかしこの理論が実際には正しいことを暗示する事例が、最近出始めているようです。たとえば、グリチルリチン酸ジカリウム配合シャンプーを常用すると頭皮が脆くなるとい事例が、医師によって報告されています。(2019年8月修正:弊社アドバイザー医師によれば、上記の理論は正しく、グリチルリチン酸ジカリウムにはステロイドと同様に、老化促進作用があるとのことです。) 以上のことから、グリチルリチン酸ジカリウムを配合した化粧水や美容液などのコスメをお肌に継続的に塗布するということは、血行不全効果や肌代謝不全効果による肌老化を招くばかりでなく、糖化作用によってお肌の老化を促進させ、脆く弾力のない肌に劣化させる疑いがあります。頬や首のたるみ・ほうれい線や深いシワの原因となる危険性が高いため、年齢肌対策としても、グリチルリチン酸ジカリウムは可能な限り避けるべきという結論に、至らざるを得ません。 (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) −3.血行促進はすっぴん美肌の必須条件 序章では、グリチルリチン酸ジカリウム配合の薬用石鹸を常用して、悲惨なことにもお顔がデコボコになってしまったモニターさんについて言及しました。今回ご紹介するお話は、別のモニターさんに関するものです。 そのモニターさんはかなりの敏感肌のようで、約10年前に何らかの原因でお肌にカブレが生じた際、病院で処方されたステロイド剤を塗ったそうです。最終的にはカブレは治癒したものの、お肌に黒ずんだうろこ状のできものが、頸部(首回り)にかなり広範囲にできてしまいました。ステロイド剤の使い方(頻度など)が、適切であったか否かは不明です。 カブレの治癒後も黒ずんだうろこ状のデキモノはずっと残ったままで、モニターさんご本人もご家族も、ずっと諦めていた状態でした。頸部の黒ずみを気にして、髪の毛をいつも長めにして、頸部の黒ずんだうろこ状のできものを隠すようにしていました。ちょうど思春期が始まる頃からの出来事だったようで、さぞかし辛い思い出あったに違いありません。 ところが、弊社から支給したモニター用のタラソテラピー化粧水を使用して、お顔だけでなく頸部にも塗布し続けたところ、1年もしないうちに首周りから黒ずんだデキモノが消失してしまったのです。当初は単に乾燥肌対策としての保湿目的だったため、弊社にとってもまったく想定外の出来事でした。 タラソテラピーとは海藻等海洋植物の美肌成分や海洋ミネラルを利用して、美肌に導く美容健康法です。この場合のタラソテラピーローションは、海洋ミネラルを利用したもので、お肌をポカポカさせながら血行や肌代謝を高める効果があります。ですからタラソテラピーは、冷え性の方には効果的ともいわれています。(ただし疾病の場合は、タラソテラピーは必ず主治医の先生とのご相談の上で!) タラソテラピーで血行が促進されるメカニズムを簡単にご説明をさせて頂くと、経皮摂取された海洋ミネラルを栄養として血液が運ばなければならないため、自然と血行が促進されるという仕組みです。ミネラルが皮膚に吸収される際にポカポカとするのは、ミネラルがイオン交換しながら角質層内に入るためで、充電中のスマホや携帯電話のバッテリーが熱くなるのと同じ理屈です。 美肌作りにとって血行促進は、必須条件です。上記の事例は、それを端的に示すものと言えましょう。すなわち、タラソテラピーローションのような特別なスキンケア製品を使用せずとも、血行を阻害しないスキンケア製品が、美肌作りには欠かせないといえるでしょう。 少しでも美しいお肌をお望みであれば、グリチルリチン酸ジカリウムを配合した化粧品や薬用化粧品は、可能な限り使わないように努めるべきでしょう。お肌に特別な美肌成分を浸透させなくとも、お肌が潤ってさえいれば、食物から得た栄養成分が血液が運んでくれ、お肌は美しくなるのは間違いのないことです。グリチルリチン酸ジカリウムの濫用は、その道を断とうとするわけです。 ( 次章 へ) (ブログ分割記事 ココログ/はてな/アメブロ/Blogger) |
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