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化粧品成分 グリチルリチン酸ジカリウム
美白効果を欲張り過ぎデコボコ肌になる危険性
【お知らせ】
「グリチルリチン酸2K 平成のまとめ」
up済み
ステロイド様作用で 肌が老化する疑いも!
肌に働きかけて肌を美白する効果・効能を化粧品や薬用化粧水等薬用化粧品(医薬部外品)で標榜することは、法律で禁じられています。許される範囲は、ファンデーション等のメイクアップ化粧品で物理的に白く見せる効果であり、薬用化粧品であればメラニンの生成を抑える程度のことです。すでに黒ずんでいるお肌に働きかけて白く変化させる効果は、認められていません。しかし化粧品や薬用化粧品や化粧品などに、黒ずんだお肌を白する美白効果を求められる女性が多いのが、実情でしょう。
百貨店さん等で店頭実演販売をしていると、少なからずのお客様が、「これで美白できる?」とご質問されます。そして私は決まり文句のように、「化粧品レベルなので、美白できるとは言えません。お客さまが使われて白くなったと思われたら、効果があるかもしれません。しかしお肌はキレイになり、とても潤いますよ!」と、失礼ながら味気ない答えとなってしまいます。
お肌を白く見せる方法の一つとして、血行を抑える方法があります。血管を収縮させて血行不全を発生させ、血色を抑えることです。お顔に浮腫(セルライト)ができてデコボコ肌になったお話は、知らず知らずのうちにこれを恒常的に行っていた女性に関するものです。
この女性は弊社のモニターさんのお友達で、もともとお肌が白くてキレイなのに、もっともっと白くなりたかったそうです。後で聞いたお話なのですが、ある日インターネットで肌が白くなると宣伝されていたお茶石鹸(薬用石ケン)を購入し、使い始めたそうです。すると洗顔後はみごとに白くなって、喜んで使い続けたそうです。そうしているうちに彼女とお会いする機会があったのですが、化粧のノリが異常に悪くなり、吹き出物が出やすくなったと悩んでいました。
しかし彼女は気付いていなかったのですが、異常はそれだけでありませんでした。なんと彼女が笑った時に、明らかに肌の下に浮腫(デキモノ)らしきものが、見え隠れしたのです。しかも1か所ではありません。マジマジと拝見したわけではないですが、数か所程度ありました。
気になってモニターさんに、彼女が最近なにか新しいスキンケア製品を使い始めたかを聞いたところ、その石鹸のことがわかったわけです。お会いした時はちょうどその石鹸が切れてしまい、リバウンドを起こしたように肌の調子が悪くなり、あわてて数個組のものをインターネットで注文していたそうです。その石鹸には、グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム/カンゾウエキス)が配合されていました。
ついこの前発生したステロイド(副腎皮質ホルモン)入りクリームを、覚えていらっしゃる方は多いと思います。多くの「脱ステロイド」「脱ステ」を目指されているアトピー性皮膚炎の患者さんが、残念ながら被害者となってしまいました。もちろん化粧品や医薬部外品にステロイド剤を配合することは、危険な違法行為です。
しかし一昔前は、肌が手軽に白くなるので、じつに多くの女性の間で流行りました。もちろんステロイド剤を連用することは、より多くの量を欲するようになり、とうとう最後は身体に異常が出て、お肌が見るも無残にパンパンに腫れあがってしまうのです。こうなってしまえば、簡単に脱ステロイドなどはできません。また無事に腫れがひいたとしても、お肌に黒ずみができてしまうこともあるようです。
このグリチルリチン酸2Kにはステロイド様作用があり、配合比率も厳しく規制されていて、化粧品成分としては薬効が強いものに分類されます。配合目的は、炎症を抑え込むためのものです。このグリチルリチン酸2Kを配合することにより、万一化粧品に含有される成分がお肌に合わない場合に、有効になるわけです。ですから本来は、使用する消費者のみなさんの安全を考えてのことなのです。ですからこの成分が入った化粧品のことを、むやみに悪く言っているわけではありません。
しかしグリチルリチン酸2Kが配合されていて、なおかつ「美白」と宣伝されているのであれば、注意が必要でしょう。その美白効果は、肌内部がキレイになる本来の美白ではなく、いわば「偽美白効果」です。時間がたてば、元以下に戻ります。元以下としたのは、ステロイド様作用により肌内部に血行不全が起こり、お肌の新陳代謝を著しく阻害するからです。当然ながらグリチルリチン酸2Kを塗れば塗るほど、お肌は美しさを失っていくでしょう。
また、既述の女性のように、セルライト(浮腫)ができることも知られています。その他の危険性としては、ステロイド様作用により肌内部に糖を過剰に産生させ、お肌を糖化(老化)させる疑いもあります。
じつはこのグリチルリチン酸2Kは、弊社の製品への配合も検討したことがあります。しかし開発途上でアドバイザーの先生にグリチルリチン酸2Kの配合を相談したところ、「グリチルリチン酸ジカリウムは血行を抑えてデトックス(毒素や老廃物の排出)を阻害する。デトは非常に大事だ。グリチルリチン酸2K好ましくない。」とのご意見をいただき、配合を中止しました。
お肌を美しい透明肌に導くためには、血流や新陳代謝を促すことが最重要です。肌デトックスが滞ると、皮膚に老廃物がたまってしまいます。そういう意味で、必要がなければグリチルリチン酸2Kの配合をさけることが、お肌の美しさに直結するわけです。そのためには化粧水に配合する成分を、徹底的に吟味する必要があります。
そういった経緯もあり、彼女の顔を拝見してすぐにピンときたわけです。先生のアドバイスは、じつに正確でした。グリチルリチン酸2Kを排除した化粧水を使うことによって、本来お肌が持ち合わせている肌デトックスを正常に機能させ、透明肌へと導いていくようです。
これはあくまでもアルガ・アイ的な感覚ですが、ステロイド剤にしてもグリチルリチン酸2Kにしても、諸刃の剣だと思います。以前柿狩りをしていた際に毛虫に首筋をひどくやられたことがありますが、ステロイドを含有する虫刺され用軟膏を塗ったところ、テキメンな効果が得られました。どのような成分であっても、その成分は開発者の努力のたまもの。個人の状況に併せて、過不足なく上手に使えば、よろしいのではないでしょうか。あくまでも、アルガ・アイ的な意見ですが・・・。
美しく白い肌は、女性であれば誰しも憧れるでしょう。しかし透明肌や美白の追及は、ほどほどにされるほうがよいと思います。それよりもまず、お肌を健康にさせることが大事でしょう。健康なお肌の正常な血行はデトックスを促進させ、老廃物や毒素をお肌から追い出します。健康なお肌は結果的には、くすみのない美しい透明肌につながるとお思いになりませんか?
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続編
(2011年9月追記)
この記事をアップしてから、ますますこの記事へのアクセスが増えています。検索ワードを分析すると、「グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)」、「美白」、「ステロイド」、「アトピー」、「アナフィラキシーショック」、「加水分解コムギ」、「アレルギー」等のフレーズを組み合わせての検索が、主なものです。
このアクセスアップの原因は、やはり昨今の加水分解コムギ配合お茶石鹸による、被害増大によるものだと思われます。被害に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。多くの被害者の方々による集団訴訟提起も準備中のようで、私も業界人の一人として、身が引き締まる思いです。やはり何事も安全第一であり、今後も製品の安全確保に努めねばと意をあらたにする次第です。
この加水分解小麦成分によるアナフィラキシ―ショック事故を、日本の美容業界が経験した今、安易にグリチルリチン酸2Kは高配合すべきでないと、アルガアイは考えます。もし問題となった化粧品・石鹸にグリチルリチン酸2Kが配合されていなかったとすれば、ショック症状をすぐに認識でき、その時点で使用を中止できたのではと考えられるからです。
本来は炎症を抑えることができるグリチルリチン酸2Kの長所が、裏目にでた可能性があります今後はアレルギーショック等を起こす可能性がある、とくに天然素材を医薬部外品に配合する場合は、グリチルリチン酸2Kは高配合を避けるべきでしょう。アレルギーが重篤な状態になるまで、自覚できなくなる可能性があります。
何らかの疾病等の改善を目的としないのに、グリチルリチン酸2Kが高配合されたコスメ・医薬部外品を長期連用することは、さけるべきことだと思います。なお、同成分をよくご存知のある患者さん団体の理事長さんによれば、グリチルリチン酸2Kが高配合された医薬部外品は、医師の指導のもとに使用するほうが無難とのことです。なおこの場合は透明肌を求めることよりも、炎症を軽減して安堵を得ることが最重要と考えるべきでしょう。
ただ、事件が大きく取り上げられるにつれ、大事なことが置き去りにされていることに、違和感を覚えずにはいられません。当初はこのようなことを書くべきか否かは、とても迷いました。しかしぜひ消費者の方にも考えていただきたいと思い、書くことにしました。
置き去りにされていることとは、「使う側(消費者)の責任」です。その責任とは損害賠償云々に関与する範囲のものでなく、いわば道義的な範囲を意味します。端的に申し上げるなら、「親からもらった大事な身体を大切にする」、「ご自身の身体を大切にする」といったこととご理解下さい。
この記事にて、石鹸を使っていた女性のお顔が、浮腫だらけになっていたことを書きました。その女性とは、弊社のモニターさんの友人です。私はモニターさんを介してその女性に、使用を中止するように進言したのですが、その後のことにも触れておく必要があると思い、記述します。
その女性は化粧品等を購入する際は、第一に宣伝されている効果効能を重視します。彼女にとってはその次は、パッケージやボトルのデザインが大事なのです。決して成分を、確かめることはありません。成分を確認して購入される方には信じられないようなことですが、そのような危なっかしい購入方法をとられる女性は、けっこういらっしゃいます。
彼女はネットショップで宣伝されていた、「美白」という効能にすっかり魅了されて、ハマってしまったわけです。彼女はその石鹸が化粧石鹸ではなく、医薬部外品(薬用)であることにも全然気付いてはいませんでした。「グリチルリチン酸2K」を有効成分とする医薬部外品の場合、同成分は否応なしに高配合されることとなります。
グリチルリチン酸2Kが高配合された医薬部外品のローション等で、アトピー性皮膚炎のスキンケアに使用されることがあります。しかし適切な目的をもたないのにもかかわらず、同様の医薬部外品を使うことに問題があると思います。ましてや宣伝されていた効能は、薬事法で禁じられている「美白効果」です。
その女性は「美白」というキャッチフレーズで催眠状態になったように購入してしまったわけですが、そうならない女性も多くおられることを、認識する必要があります。
美白 + グリチルリチン酸2K + 医薬部外品(薬用)
その組み合わせを冷静に判断して、その石鹸の販売方法の本質を冷静に見抜き、危ないから避けたという方も、多くおられるということです。「血行を阻害して一時的に肌を白く見せるやり方か・・・。しかしそれでは肌代謝が低下して、副作用が恐い。」といった懸念です。これが今回の記事の、大事なポイントです。
「美白」といった女性の身体的美意識に直結フレーズは、本能ともいうべき女性の心の奥底をくすぐり、盲目にしてしまいます。それらの言葉を聞きイメージするだけで、頭の中から他のことが吹っ飛んでしまうようです。「美白」というフレーズに魅了されて、成分をよく確かめずに購入された方は、今後は購入方法をあらためる必要があるのではないでしょうか。
先ほどのモニターさんが石鹸を使用していたお友達に「ちゃんと成分を確かめて使わなきゃダメ!」と注意を促したところ、最初はすごい反発だったそうです。まるでワンちゃんに一度餌を与えていて、それを引っ込めたときのように、本能を害されたように怒ったと聞きます。その女性にしてみれば「美白」という夢見心地から、引きずり出されてしまったからでしょうか・・・。しかしもともと仲がよいのでケンカはすぐにおさまり、その女性は今ではモニターさんに感謝しているそうです。
被害に遭われた方が、メーカーを恨んだりバッシングしたい気持は、もちろん理解できます。しかしそれだけで終わらせてしまっては、消費者としての責任問題は解決しないと思います。なぜなら加水分解コムギに限らず、化粧品成分の中にはアレルギー報告のある成分が、星の数ほどたくさんあります。また最近は角質層への浸透性アップを意図して、「成分のナノ化」と銘打った低分子の成分も流行ってきて、ますます考えられないトラブルが、将来発生してくる可能性があります。
固定観念にとらわれずに、ちょっとした化粧品成分の知識があれば、メーカーや販売者の安全確保の姿勢を、推し量ることは簡単です。「知識」といっても、それは国が消費者に求めているレベルです。ですから国は、消費者にもそれなりの知識をもつようにと、化粧品を「全成分表示」としたわけです。先ほども申し上げたように、そのように実践して危険回避をされている消費者は、たくさんおられます。
「天然成分だけで作られた化粧水だから安心!」
「自然派化粧品・自然派コスメだから安心!」
「
天然由来成分は安全?
」という記事でも記述しましたが、たとえばこういう売り方も、無責任極まりないものです。天然原料や自然素材、また植物性というだけでは、安全性は担保できません。そんな言葉は、ただの幻影です。
天然でも肌を傷めたり重篤なアレルギーを起こす成分は、いっぱいあります。多くの天然成分は、アレルギーを引き起こすといっても、過言ではありません。じっさい私は、天然防腐剤が配合された「無添加化粧水」で、ひどい目にあった複数の女性と、お話をしたこともあります。
ちなみに、この薬効が強いグリチルリチン酸2Kも、天然由来成分です。
たしかに製品の外観から、夢やイメージを膨らませることは楽しいことです。しかし中身を見抜くことができなければ、いつまでもあなたを危険にさらすことにもなりかねません。以上がアルガアイからの、危険回避術の提言です。ご参考として下されば、幸甚です。
(2019年4月追記)
タイトルのすぐ下の記述のように、グリチルリチン酸ジカリウムが肌をもろくさせる作用がある事例が出てまいりました。それは同成分配合シャンプーを常用している方の頭皮が、もろくなってしまうというものです。
脆くなる現象は老化と同質と考えられ、同成分がもつステロイド様作用との関係が疑われます。すなわち、グリチルリチン酸ジカリウムが作用した皮膚内部に活性型のコルチゾールが増え過ぎたままとなり、糖であふれかえっている状態です。これはまさに糖尿病と同じであり、メイラード反応(糖化作用)が促進さる、すなわち老化が促進されるという疑いです。
あくまでも理論に基づいた推測ですが、いずれにしても同成分配合品の長期連用は、漢方の基本(甘草の長期連用はタブー)に立ち返れば、危険と言わざるを得ないでしょう。これからだんだんと事例が出てくることが予測され、それに従い脆くなるメカニズムも、解明されていくでしょう。
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