低分子ヒアルロン酸の使い過ぎは危険！

角質層の水分バランスを失い顔カビに陥る危険性

「低分子ヒアルロン酸」とはその名が示すように、分子量の小さなヒアルロン酸です。通常のヒアルロン酸（高分子ヒアルロン酸）に比べて分子が小さいために、角質層への浸透性に優れていて、お肌をしっかり潤すことが可能のようです。それゆえ低分子ヒアルロン酸は、「スーパーヒアルロン酸」や「ナノヒアルロン酸」とも、呼ばれるようです。

ヒアルロン酸といえばこれまでは、鶏の鶏冠（トサカ）などから抽出することが一般的であったようです。低分子ヒアルロン酸を得るためには、抽出した高分子ヒアルロン酸を細分化する必要があるため、高価であったようです。

しかし最近では微生物による合成（バイオテクオロジー）で、ヒアルロン酸は比較的簡単に入手できるようになったようです。とくに低分子ヒアルロン酸ともあれば、理屈上合成にも手間がそろほどかからず、安価に製造することが可能となります。合成されたヒアルロン酸を分級して小さなヒアルロン酸だけを集めればよいわけです。

この優れた効果を発揮する低分子ヒアルロン酸ですが、メリットだけでなく、デメリット（危険性）も知っておく必要があるでしょう。

① お肌に合わない場合のリスク

② 角質層内が潤い過ぎる危険性

まず①の「お肌に合わない場合のリスク」についてですが、数ある化粧品成分の中でもヒアルロン酸は、比較的肌トラブルを起こしやすい成分であり、接触性皮膚炎等の事故が報告されています。弊社のブログへもよく、「ヒアルロン酸＋合わない」といった検索ワードでアクセスされています。

弊社アドバイザー医師の北博美先生（奈良県三郷町医療法人やわらぎ会理事長，代替医療では超有名な先生）によれば、とくにアトピー性皮膚炎の患者さんは、要注意のようです。言い換えれば、ヒアルロン酸で得られる保湿効果よりも、ヒアルロン酸によって不具合が生じた時のダメージが大きいというわけです。アルガ・アイ的にもヒアルロン酸は、お肌の潤いに不可欠とは考えておりません。

そういうわけで弊社が化粧水を開発する際も、高い安全性を確保するためにヒアルロン酸を除外したわけです。幸いにも先生によれば、グリセリンは安全性が高いため、弊社はグリセリンと海洋成分（海塩）で化粧水として機能を高めるように研究し、防腐剤や化学物質に敏感な方用のローション（手作り化粧水キット）を発案したわけです。

なお、高分子ヒアルロン酸の場合は、角質層内の比較的浅い部分での肌トラブルが想定されます。しかし低分子ヒアルロン酸の場合は、角質層内ではとどまらず、真皮内部での肌トラブルの可能性を、否定できないのではないでしょうか…。

次に②の「角質層内が潤い過ぎる危険性」についてですが、手作り化粧水をされている方は、とくに注意が必要でしょう。ほんとうに恐ろしい結果になりかねませんので、ぜひご注意下さい。

先ほども書きましたが、低分子ヒアルロン酸は分子が小さいためにお肌での浸透性に優れていて、お肌がもちもち潤う高性能原料です。しかしたくさん使うと、潤い過ぎます。そして潤い過ぎると、予期せぬ肌トラブルが生じます。角質層内の水分量が高くなりすぎて、真菌（カビ）の温床になってしまうことがあるようです。

弊社はちょくちょく百貨店さん等で実演販売をさせていただきますが、お客様からスキンケアについてよくご相談をいただきます。最近よく聞くのが、低分子ヒアルロン酸を使用したスキンケア製品や、低分子ヒアルロン酸を使用した、自作の手作り化粧水による肌トラブルです。化粧品に頻繁に使用し始めたのはごく最近のため、ネット上での事故情報は少ないですが、これからは増えてくるのではと思われます。
　
そのお客様はナチュラルコスメ志向で、美肌成分を購入して、本をみながら手作り化粧水をお作りになられていました。ある時インターネットで販売されていた低分子ヒアルロン酸にひかれて購入し、さっそく使い始めたわけです。その潤い効果は抜群で、欲張りになってもっと潤いたいと思い、低分子ヒアルロン酸の濃度を高めたそうです。
　
そうしているうちに、お肌に異常が現れ始めたそうですが、低分子ヒアルロン酸が原因とはわからずに、そのまま使い続けたそうです。そしてとうとう異常が顔じゅうに広がり、お医者さんに駆け込みました。お医者さんの見立てでは、お肌の水分量が多くなり過ぎて、顔が水虫だらけ（ご本人の表現）になったそうです。カビ（真菌）の一種である白癬菌が顔じゅうに生えた状態で、いわゆる「タムシ（水虫）」という皮膚病です。
　
低分子ヒアルロン酸との直接因果関係は不明ですが、その後お医者さんからは「アトピー性皮膚炎」の発症も告げられて、使用する保湿剤も制限され、かなりの長期間もの苦しい時を過ごされたようです。幸いにもお店でお会いした時は、皮膚炎がわずかに見受けられる程度まで、症状は落ち着いていましたが・・・。
　
化粧品を使用する際に絶対注意しなければならないことの一つは、お肌に異常が生じたりお肌に合わないと思ったら、迷わず使用を中止することです。「高価な化粧水だったから・・・。」とか「防腐剤も天然だったから・・・」といった根拠のない理由で、危険性は否定できません。安全性や美肌高価は価格と正比例するわけでもなく、「天然＝安全」といったキャッチフレーズはウソです！
　
低分子ヒアルロン酸が配合されたローション等を適切に使用していて、良好な使い心地であれば何ら問題のないことであり、むしろお肌がとてもみずみずしくキレイになるかもしれません。しかしお肌に合わない時は、勇気をもってやめることが肝要です。引き際を誤れば今回のお話のように、重篤なダメージにさえつながりかねないと、アルガアイは考えます。

なお、最後にお断りしておいきますが、低分子ヒアルロン酸を使用したコスメ・化粧品の悪口を、ここで書きたかったわけではありません。低分子ヒアルロン酸自体は使い方によっては将来性のある素晴らしい素材でしょう。しかし使い方が不適切であった場合にはダメージを受けることや、お肌に合わない場合があることも、知っておく必要があるのではないでしょうか･･･。

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（2014年3月追記）

弊社アドバイザー医師の北博美先生によれば、皮膚は潤い過ぎても乾燥し過ぎても、水虫/タムシになるリスクが高まるということです。また、そのような疾病の状況下で、あれこれと刺激物を擦り込むと、アトピー性皮膚炎に悪化する可能性があるとのことです。顔水虫が疑われる場合は、速やかに医療機関にご相談すべきでしょう。いったん大人アトピーになってしまうと、治りにくいといわれていますので・・・。

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