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1,3-プロパンジオールの本当の安全性
プロパンジオールはプロピレングリコールの異性体
敏感肌用化粧水やアトピー性皮膚炎の患者さんをターゲットとした、オーガニックコスメや自然派化粧品によく配合される人気の化粧品成分として、プロパンジオールという化学物質があります。このプロパンジオールの化粧品への主たる配合目的は、保湿効果と防腐効果/抗菌効果と界面活性作用です。多岐にわたって様々な効果があるために、とても重宝する成分といえます。しかしこのプロパンジオールは化粧品に使用され始めた歴史は浅く、安全性/危険性に関する情報の蓄積がないため、コスメ選びの際にお困りの方が少なくないようです。
じつはこのプロパンジオールが使用され始めた時には、アメリカでは消費者団体が問題視して、大きな問題となりました。このプロパンジオールは「1,3-プロパンジオール」ですが、「1,3-プロピレングリコール」とも称されます。旧指定成分でおなじみのプロピレングリコールは「1,2-プロピレングリコール」ですが、今では「1,2-プロパンジオール」とも称されます。じつはプロパンジオールはプロピレングリコールの異性体ということです。その事実を消費者にわかりにくくするために、「プロパンジオール」という別の名称を用いていると、アメリカの消費者団体が反発したというわけです。
じつはこの頃アメリカでは、プロピレングリコールによるアレルギー事故が多発しており、産業界は頭を悩ませていました。要するにプロピレングリコールなしでは、産業界が成り立たないというわけです。プロピレングリコールは日本でも食品添加物として使用されていますが、それだけでは表立った問題はあまり発現しないようです。外面上は、安全性が高いというわけです。しかしプロピレングリコールが配合されたスキンケア製品を使用すると経皮摂取されてアレルギーを発症(経皮感作)する危険性があるわけです。アメリカのそのような状況下で、大手化学会社が開発した「1,3-プロピレングリコール」に、白羽の矢がたったわけです。
短期的な安全性テストがいくつか行われたようですが、それまでの「1,2-プロピレングリコール」ほどの肌トラブルは発生しなかったようです。しかしまったく安全であるというわけではなく、やはり1,3-プロピレングリコールの化合物によるアレルギーが陽性であった例もあるようです。そのようなきわめて短期間における評価の末、「1,3,-プロピレングリコールは1,2-プロピレングリコールよりも、どうやら安全性は高いようだ。(= 1,3-プロピレングリコールのほうがまし)」と結論付けました。あくまでも既存の1,2-プロピレングリコールと比較して、安全性が高いであろうというだけのことです。そして「1,2-プロピレングリコール」の一般名称を「プロパンジオール」として様々な商材に使用され出したため、既述のように米国の消費者団体が抗議したわけです。
少しでも安全性の高い成分を採用したいという行為は、もちろん理解できます。しかし情報公開が当たり前の時代に、成分や原材料をわかりにくくするのは、時代を逆行する行為となります。抗議の対象は、もちろん充分な安全性評価がないままの使用開始という点もあるでしょうが、名称をまったく変えてしまった点への批判が大きいようです。
この異性体というものは、化学式が同じでも、違う分子構造をもったものということです。すなわち、使われる原子と原子の数は同じでも、原子は違った結びつきをしているということです。化学合成する際には、合成して得たい化学物質と、不純物である異性体ができることが、よくあることです。一般的に言われることですが、異性体はもともとの化学物質とは性質ががらっと変わることがあります。しかし危険性の高い化学物質の異性体であれば、いくら安全性が向上したとしても、異性体にはある程度の危険性は残ります。たとえばもとの化学物質にアレルギーの危険性があれば、異性体にも潜在的なアレルギーの危険性があるといわれています。
異性体の説明として、海外で使用されているリンデン(リンダン)という農薬成分を例に挙げたいと思います。リンデンの成分は、γ-BHC(ベンゼンヘキサクロリド)です。このγ-BHCを化学合成しようとすると、β-BHCという異性体も生成してしまいます。γ-BHCには急性毒性があり、殺虫成分としては非常に有効です。そして水溶性で分解も早く、体内に吸収されても分解して排出されやすいことが明らかになっています。弊社は決して農薬を肯定するわけではありませんが、身体に残らない面では他の農薬よりは、安全性が高いとも言えるようです。
いっぽう異性体であるβ-BHCには急性毒性はありませんが、脂溶性のため身体に残り蓄積し、じわじわと身体を蝕む危険性があります。もし農地に散布された場合は、長期にわたって毒性が続くこととなります。ですからリンデンの製造途上ではγ-BHCだけを取り出すように精製するわけです。じつは1970年代に主として西日本で、β-BHCが農地にばらまかれた、人為的な大惨事が起りました。大手化学薬品メーカーさんが、γ-BHCだけを取り出すのは面倒ということで、β-BHCを含む他の異性体を除去しないままの、危険な農薬を販売したのです。その危険な農薬が西日本を中心として大量に散布された後に、β-BHCがじつは危険性が極めて高い猛毒であることが判明したのでした。この大きな農薬汚染事故は、その後のアトピー性皮膚炎の蔓延とは、無関係でないとする見方もあります。ちなみにこの事故をきっかけとして日本の農林水産省は、リンデンそのものを使用禁止にしてしまいました。(問題は別だと思いますが・・・。)
以上のように異性体の場合は、毒性の程度や毒性を発揮するまたは毒性が発現する時期が違うのが一般的です。プロパンジオールが配合されたコスメを使用してしばらく問題がなくとも、その先にプロピレングリコール以上の問題が発生する危険性を、否定できないわけです。しかも世代をまたぐ、すなわちお子さんへのアレルギーの遺伝の危険性も、否定できません。なぜなら既述のように、プロパンジオールの安全性の評価テストは、そこまでなされていないからです。プロパンジオールがβ-BHCと同類である疑いが、当面あり続けるということになるため、プロピレングリコール配合コスメを使用することは、いわば実際の市場における公開の人体実験ということになります。
安全性以外の保湿効果に関しても、少々疑問があります。グリセリンとプロパンジオールを一緒に配合すれば保湿効果が上がるという主張があります。しかし弊社の経験では、グリセリンのみでも角質層内にしっかり浸透すれば、乾燥肌を原因とする毛穴の開きやテカリや粉ふき肌は、キレイに改善/解消できるほどの潤い効果があります。要するに、角質層内へグリセリンが浸透する処方の化粧水であれば、プロパンジオールはまったく必要ないのです。
なお出来合いの化粧品の原料用途だけではなく、手作り化粧水/手作り化粧品の材料として「植物性プロパンジオール」や「植物由来プロパンジオール」といった商材も販売されているようです。しかしこれらは、植物から抽出した天然のプロパンジオールというわけではありません。自然ではありえない環境下で、トウモロコシなどのデンプンを遺伝子組み換え大腸菌で変性させて、化学処理を経て製造されます。ですから安全性を高そうに見せかけるための、イメージ戦略とお考え下さい。石油を原料とするプロパンジオールと、安全性/危険性はまったく同じです。これと同様のイメージ戦略で、「植物由来のブチレングリコール(BG)」といったものがあります。しかしアレルゲンとなり得る危険性は、通常のブチレングリコールまったく同じでなのです。こういった表現は化粧品業界では許されるようですが、少なからずの消費者の皆さんが「天然成分」と誤解している以上、アルガアイ的には消費者を欺く行為であると考えます。
人体にまったく害のない夢のような防腐剤など、この世には存在しません。たとえば
ローズマリー葉エキス(ROE)
は天然由来の防腐剤で安全とよく言われていますが、実際には重篤なアレルギーを発症する危険性があります。人間のそばで生活してきたカビなどの微生物や雑菌は、賢く進化してきています。ですからプロパンジオールを安全な防腐剤/保存料と、信じ込むのは禁物でしょう。繰り返しになりますが、プロパンジオールはあくまでも、見切り発車で使用されはじめたという背景がありますが、インターネット上ではこれに関する日本語の情報が皆無です。このあたりをご認識の上で、プロパンジオール配合コスメを、お使いになられるべきでしょう。
最後になりますが、もしプロパンジオールはプロピレングリコールとまったく違う安全性の高い化粧品成分だといったサイトがありましたら、
そのサイト自体の信頼性を読者様ご自身で確かめて頂きたいのです。意図的に身元を隠しているサイトか否か等が判断できれば、おのずとその主張の信ぴょう性はご判断頂けると思います。下記リンクを画像をクリック下されば、美容サイトの信頼性を見抜く、ちょっとしたテクニックをご紹介しているブログ記事へ移動致します。
これらの記事が読者様のコスメ選びの、ご参考になれば幸甚です。
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