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化粧品成分/美容・健康情報 AtoZ 記事一覧へ 化粧品成分 1,2-ヘキサンジオール 「危険性情報なし＝安全」は言葉のトリック！ この記事は1,2-ヘキサンジオールに関しての、過度な悪口を書くことを目的としておりません。海外における同化粧品成分に対する警告などを引用しながら、事実にもとづき記述しております。最初にお断りを、させて頂きます。 危険なパラベンではなく安全な1,2-ヘキサンジオールを配合！ 1,2-ヘキサンジオールはグリセリンと同等の安全性をもった保湿剤！ このようなことが記述されている美容サイトをよく見かけますが、はたして本当でしょうか？ 1,2-ヘキサンジオールは植物エキスを抽出する際によく利用される、溶剤のひとつです。溶媒として優れているだけでなく、保湿効果や防腐効果も備えていることから、手作り化粧水の保湿効果や防腐効果を目的にも配合されるようです。 このように確かに重宝する原料ではありますが、化粧品成分としては比較的新しい成分です。したがいまして、危険性に関する情報は不十分であり、それと同様に、安全性に関する情報も不十分であるのが実情です。たとえば、お肌に対する安全性に関しては、製造者側による皮膚へのテストのデータはあるようですが、公的なデータの蓄積は皆無です。じつはインターネット上で同化粧品成分の安全性に問題なしとしているのは、このような偏ったデータのみを根拠としている場合が多いのです。 この製造者側による短期間のパッチテストでは、ほとんど肌トラブルは生じなかったようです。しかしこれで1,2-ヘキサンジオールが、お肌に対して安全だといえるわけではありません。日本の化粧品のアレルギーテストの大半は、アメリカなどに外注されるのですが、お肌が弱い方やアレルギー体質の方が、多少の報酬を得るために被試験者に志願するかという疑問です。当然ながら、肌にどんな異常が生じても自己責任といった、誓約書も書かされるでしょう。（アレルギーテストに関しては過去の記事をご参照）　また海外ではすでに、1,2-ヘキサンジオールによるアレルギー性皮膚炎（アレルギー性接触皮膚炎）の発症が、確認されております。 以上のことから、この公的ではない製造者側のデータを信用すると仮定したとしても、お肌が比較的丈夫な方であれば、あまり問題がなさそうとだけ言えるだけにすぎず、アレルギー発症リスクは否定できないわけです。したがいまして1,2-ヘキサンジオールの危険度は、旧指定成分のプロピレングリコールと同程度とみておくほうが、安全といえるでしょう。 また1,2-ヘキサンジオールの安全性に関しては、お肌などの表面的な安全性だけでなく、身体内部への毒性の危険性もあるのです。まず物質の基本的な安全性を確かめるためには、MSDS（安全データシート）をみるわけですが、やはり1,2-ヘキサンジオールの場合は危険情報の項目に、「情報なし」と記載される場合が多いようです。じつはこういった状態の場合に、売り手側が「危険情報なし＝危険性なし」といった理屈に、捻じ曲げてしまうことがあるのです。もちろん、MSDSに書かれている危険性すべてが、化粧品など最終製品になっても同様の危険性が必ずしもあるというわけではないのですが、この言葉のトリックはおおいに問題でしょう。 新しい化粧品成分を含有する化粧水や化粧品をお肌に塗布するということは、ある意味「人体実験」なのです。あとになって発がん性や催奇性が発覚することはよくあるお話で、発覚した時点では身体が十分その成分に汚染されてしまっていることにもなりかねないというわけです。 日本ではこの1,2-ヘキサンジオールの安全性/毒性に関する公的なデータは、ほとんど皆無に近い状況です。アメリカの国立衛生研究所の情報によれば、2016年に韓国で行われたパラベンとの、慢性毒性と光毒性についての情報があるようです。韓国でもパラベンを避けたい方が多いためか、この1,2-ヘキサンジオールを防腐剤として配合している化粧品が増えてきているようで、はたして本当に1,2-ヘキサンジオールは安全なのかという意味の、比較実験であったようです。結果は、1,2-ヘキサンジオールのほうが毒性が低いようでしたが、1,2-ヘキサンジオールの安全性については懐疑的な締めくくりとなっています。 なお注意して頂きたいのですが、化粧品に防腐剤として配合する場合は、通常は1,2-ヘキサンジオールのほうがパラベンより１桁多い配合率となります。当然ながらこの実験は同じ質量で実験したわけですから、化粧品とお肌に塗布した場合は、1,2-ヘキサンジオールのほうが危険性が高まる場合があると考えなければなりません。パラベン配合化粧水で問題のなかった方が、1,2-ヘキサンジオール配合品で肌トラブルを起こす事例をよく耳にするのは、こういう理屈によるものでしょう。 次にもう少し、シリアスな情報を参照してみましょう。下記のURLは、米国ニュージャージー州の健康福祉局が、市民向けに出したヘキシレングリコールに関する注意喚起です。 https://nj.gov/health/eoh/rtkweb/documents/fs/1003.pdf 冒頭の「ヘキシレングリコール」という名称に続くCAS Number（CAS登録番号：化学物質の番号）の“107-41-5”の正式名称は「2-メチルペンタン-2,4-ジオール」ですが、最終ページに別名として「1,2-ヘキサンジオール」も表記していることから、1,2-ヘキサンジオールにも関係することとしてお考えいただくほうが無難でしょう。少なくとも1,2-ヘキサンジオールは、ヘキシレングリコール（2-メチルペンタン-2,4-ジオール）の関連物質です。 このヘキシレングリコールを扱う職場で継続的に従事する人には、腎臓や肝臓への悪影響があるとの、注意喚起がなされています。飲酒をする人はとくに要注意で、ヘキシレングリコールよる肝臓障害が増大するとのことです。そしてさらに、下記のようなことが記述されています。 ●Cancer Hazard（発がん性の危険性） According to the information presently available to the New Jersey Department of Health and Senior Services, Hexylene Glycol has not been tested for its ability to cause cancer in animals. ニュージャージー州健康福祉局が現在入手可能な情報によると、ヘキシレングリコールは、動物実験で発がん性のテストはなされていない。 ●Reproductive Hazard（生殖器への危険性） According to the information presently available to the New Jersey Department of Health and Senior Services, Hexylene Glycol has not been tested for its ability to affect reproduction. ニュージャージー州健康福祉局が現在入手可能な情報によると、ヘキシレングリコールの生殖器への毒性は、テストされていない。 ●Other Long-Term Effects（その他長期毒性） Hexylene Glycol may affect the liver, kidneys and nervous system. ヘキシレングリコールは、肝臓や腎臓や神経系統に悪影響を及ぼす可能性がある。 日本ではヘキシレングリコールの毒性については比較的寛容ですが、アメリカでの危機意識は相当なものです。虫除けなどに広く使用されてきた2-エチル-1,3-ヘキサンジオールの催奇性が判明して問題となりましたが、アメリカでの危機意識の強さは、これが影響しているかもしれません。ちなみに、パラベンがアメリカでこのような毒物扱いを受けた事実は、弊社が知る限りでは見当たりません。 1,2-ヘキサンジオールの危険性についてこれまで書いてまいりましたが、「グリセリンと同等に安全性が高い。」といった文言は、事実からかけ離れた妄言であることが、充分ご理解いただけたと思います。そのようなデマを信じると、単なる肌トラブルだけでなく身体内部も破壊され、後悔することにもなりかねません。 以上ことから、1,2-ヘキサンジオールを手作り化粧水に配合して使用した場合の実際の安全性については、ある意味人体実験なのです。毎日何度か経皮摂取された、また化粧水塗布後に肌から揮発して鼻腔→肺に達して吸収された1,2-ヘキサンジオールが、身体の内部でどのように牙をむくか否かは、まったく未知ということです。とりあえず、問題が出るまで「大丈夫」にしておこうという風潮は、残念ながら化粧品業界にはあります。その最たる例が、不妊化事故を起こしたポリソルベート80でしょう。 もし読者様が防腐剤を避けたくて1.2-ヘキサンジオールを配合したいというのであれば、それは明らかに間違いだといえるでしょう。既述のように1,2-ヘキサンジオールは、グリセリンとは比べ物にならないほど、危険性を秘めた防腐剤です。防腐剤がお嫌いで手作り化粧水をつくられるのであれば、腐敗するまでに使い切るべきと、アルガ・アイは考えます。なお、弊社の手作り化粧水材料である「アクア・ダルモール77ミネラル」のオススメレシピでは、冷凍冷蔵保存をしながらのご使用としております。 （ココログの関連記事） （ハテナ縮小版記事 補助記事） （アメブロの類似記事） （Bloggerの関連記事） 化粧品成分/美容・健康情報 AtoZ 記事一覧へ

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