まずは冷蔵室に移して少し柔らかくしてから取り出し、アイスクリームに対して1〜3%程度のバラ粉末を混ぜるのです。するとアイスクリームが、みごとにまで紫色にさっと変身します。その時点ではバラの香りはしません。スプーンにすくって舌の上にのっけると、当然ながらアイスは溶けていくわけですが、その瞬間にバラの香りが鼻腔を駆け抜けていくのです。(ウ〜ン美味!^^ ) その時の至福感は、何物にも代えがたいものです。今の仕事をしていて出会ったバラちゃんなので、私自身の仕事に感謝するわけなのです(合掌)。そういうことで今回は、アルガ・アイ的にバラをウンチクさせていただきます。
百貨店さんなどで実演販売をさせて頂いている時に、「庭に咲いているローズは食べてもいいの?」とかの、ご質問を頂戴します。しかしバラであればどんな種でも、化粧品とかハーブ・食品に利用できるというものでもありません。香水を除く化粧品や食品等に使用されるバラは、極めて限定されています。下に代表的なバラを、記載してみます。
食品・ハーブ用途
センチフォリア,ダマスク,カニナ,ハマナス,ガリカ,(ノイバラ)
化粧品用途
センチフォリア,ダマスク,カニナ,ハマナス,ガリカ,ノイバラ,ハイブリッド
とくにセンチフォリア,ダマスク,カニナ,ハマナス,ガリカは、長い歴史の間で人体との相性がよかったようで、その用途もさまざまです。食品としての主な用途は、実(ローズヒップ)はビタミンC補給やお茶として、花弁はお茶や強力な抗酸化物質であるアントシアニン補給、そして便秘予防です。紫色の強いバラを食すると、案外目の疲れがとれるようです。これからはブルーベリーに負けないほど、バラのアントシアニンも人気が出てくるのではと思われます。ただしノイバラは薬効が強く、下剤もしくは緩下剤としての利用なので、カッコで囲みました。化粧品としての主な配合目的は、引き締めや美白やアンチエイジングです。
変わった用途では、カニナは狂犬にかまれた時に、外用ハーブとして使用されたようです。その他注意すべきことは、モダンローズであるハイブリッドは食してはならないと、私がロンドンで入手したハーブ事典に記述されていました。事故例があったか歴史が浅すぎるために安全性が確保されていないかは不明ですが、いずれにしても食しないほうが無難でしょう。
種の次に注意すべきことは、やはり農薬等の化学物質でしょう。安全なバラを得るのであれば、そのバラの原産地で栽培するというのが原則のようです。私が参加させていただいている「ひょうごローズクラブ」の事務局の方が言われるには、センチフォリア等の外来種を農薬なしで栽培するのは極めて困難とのことです。そのバラに適した湿度や温度や気候でないと、バラは元気に育ちません。日本で元気に育つバラは、ハマナスとノイバラということになりましょう。とくにノイバラは雑草のごとくどこでも生えていたのですが、最近はあまり見かけないので、淋しく思います。
何やら理屈っぽく記述してしまいましたが、化粧品や食品に含まれるバラの香りをかぐと、とても幸せな気分になってしまいます。アルガ・アイでは優秀なバラを入手できるルートを既に確保していますので、今後はバラを副資材として使用した製品を拡充していく予定です。どうぞご期待下さいませ。 (アメブロ内の関連記事)