トップページ
会社情報
美容・健康情報館
お問合せ
タラソテラピーとは
製品一覧
キャンペーン
ショッピング
化粧品成分/美容・健康情報 AtoZ 記事一覧へ
国産の農産物のほうがホントに安全?
日本で禁止された農薬の背後に潜む本当の恐怖
あああ「輸入された食品に日本で使用が禁止されている農薬が基準値以上に含まれていた・・・。」などとよく、ニュースで報道されます。「日本で禁止されている農薬がついた食品なんて恐ろしい!」と、感じる方は少なくないでしょう。確かに「恐ろしい」という可能性はあるでしょうが、なかには「?」と思うような事例もあります。
たとえば2011年3月よりの、20%の値上げなったコーヒー豆です。コーヒー豆から我が国では使用が禁止されている「γ-BHC」という農薬が検疫検査で検出され、積み戻し処分になることがあります。コーヒー豆の場合の基準値は、0.002ppm(2ppb)です。このレベルは、対応できない分析機関も少なくないという、かなりの微細な数値です。一方キャベツの場合は基準値がなんと2ppmと、3ケタも基準が緩くなるのです。じつはこのコーヒー豆に対する厳しい基準値に、首をかしげるお役人さんもいらっしゃるほどです。
この「γ-BHC」には、急性毒性があります。もっとも急性毒性がなければ、農薬としての役目を果たさないわけです。では人体に対する致死量はどれぐらいかいうのが、気になるところです。推定致死量はおおよそ、10グラム前後です。キッチンに置かれているお塩(塩化ナトリウム)の場合の致死量はおおよそ、30〜300グラムです。世界保健機構によるとγ-BHCの1日摂取許容量(生涯食し続けても問題のない数値)は、0.0125mg/kgです。60kgの体重の方であれば、0.75mg/日ということです。キャベツ並みの基準値である2ppmを適用したとしても、毎日375kgのコーヒー豆を食しない限りは、問題が出ないという計算になります。もっともそこまでの量のコーヒーを飲むとなれば、別の問題が出てくるでしょうが・・・。このγ-BHCは体内では蓄積されることなく、解毒されることも解明されています。
もちろん私は農薬の使用を、肯定しているわけではありません。しかしこの厳しい規制のために、世界のどこかで貧困者が増えるのはお気の毒なのです。たとえばあの香り高い「モカ」は、エチオピアでたくさん栽培されています。エチオピアは、経済的に苦しい国情です。検査で積み戻しになれば、エチオピア側に損失が生じる場合も少なくないはず。焙煎後の残留率等の再評価の上、エチオピアを貧困から救えないものかと思うのですが、みなさんいかがでしょうか・・・。
コーヒー豆についてはこの程度にしておいて、さらにこの「γ-BHC」が日本で禁止された経緯を調べていくと、背筋がぞっとするような事実に行き着きます。このγ-BHCは比較的安全性の高い農薬として、海外で使用されているようです。このγ-BHCを製造するには、製造工程で副産物として産生される異性体の、「α-BHC」・「β-BHC」・「δ-BHC」を除去します。とくにβ-BHCは農薬成分としては役に立たないばかりか、非常に分解しにくく、脂溶性のために土壌に長くとどまります。かつては私の郷土である兵庫県の高砂市を恐怖に陥れた、あのPCBに似たものと考えていいでしょう。
こともあろうに昭和の日本では、分離されないままのミックスBHCが製品化され、日本全土、とくに西日本で散布されていたのです。(→
昭和46年度版厚生白書
) 当時の厚生省が農水省に働きかけ、製造が禁止されたのは1971年で、製造済みのミックスBHCはその後数年間使い続けられました。このような狂気じみたことが行われた国は、恐らくは日本だけでしょう。
β-BHCの摂取経路は、農産物摂取だけにとどまりません。当然家畜類は牧草等を食するわけですから、牛乳も牛肉にもβ-BHCに汚染されることになります。この農薬は人体では肝臓や脂肪にどんどん蓄積されていき、肝機能障害を引き起こすこともわかっています。皮膚を破らずにβ-BHCが体内から流れ出るとしたら、それは母乳程度でしょう。ですからこのβ-BHCは、母から子へ確実に受け継がれていくわけです。土壌からβ-BHCを吸い上げた農産物を日本人が摂取した分、土壌におけるβ-BHC汚染は軽減されているかもしれませんが、いずれにしてもこの汚染は、今もずっと続いています。
日本ではβ-BHCが検出された場合の農産物の基準は、総BHCで0.2ppmという、甘い基準です。日本の土壌にまだ残っているBHCはβ型のみと考えるのが妥当なわけですから、日本で生産された農産物の場合は、実質的にはβ-BHCの基準となります。この0.2ppmという数値は、ヒトより寿命がはるかに短いネズミでの実験、それもたった1例の実験から、設定されたものです。極論をいえば、「危険性があるが、そんなことを言っていたら、何も食べることができない。」ということです。
ちなみに
EU諸国の愛がん動物用飼料の基準は、β-BHCで0.01ppm
です。ひとことで言えば、日本人よりEU諸国のワンちゃんのほうが、安全なお食事をしているわけなのです。これが我が国の農薬の、汚染実態なのです。ですから将来日本から輸出された農産物が、諸外国で積み戻し処分となるような事態も出てくるでしょう。「日本から輸入された野菜から、わが国で使用が禁止されているβ-BHCが基準値の数十倍も含まれていることが判明し・・・。」などといったニュースが、外国で流れてもおかしくはないのです。一生懸命耕作されている日本のお百姓さんに対して、お気の毒な表現ではありますが・・・。
現在日本には、いろいろな難病があります。そのうちのアトピー性皮膚炎やCS(化学物質過敏症)などは、農薬との関連性が疑われています。人間にはもともと、デトックス(毒素排出)の機能が備わっています。毒を摂取したり体内で毒素が発生した場合は、肝臓で分解したり排泄物にして流し出したり、毛髪や爪に含ませて体外に毒素を押しやることです。先ほど「皮膚を破らずにβ-BHCが体内から流れ出るとしたら、それは母乳程度・・・」と記述しましたが、まさにアトピー性皮膚炎は、皮膚バリアを破ってまでも、皮下脂肪に蓄積されたβ-BHC等の農薬を、押し出そうとする現象ではないかと、素人の私は疑ってしまいます。実際医学的見地からすれば、皮膚からのデトックスもありうるようです。
このようにアドピー性皮膚炎は、過去の農薬行政と厚生省の監視の甘さによって拡大された、β-BHC汚染とは無縁と言えないものです。しかし2011年に厚労省はアトピー患者さんが必要としていた漢方薬やビタミン剤等の薬剤を保険適用外としてしまうような、仕分け措置をとりました。2011年3月時点でも仕分けはなされたままで、日頃懇意にさせていただいている日本アトピー協会(アトピー性皮膚炎の患者さん団体)の理事長さんは、悲痛なおももちを隠せない状況です。また化学物質過敏症の患者さんは、未だに残留している農薬に深く悩まされているようで、お話をうかがうだけで胸を締め付けられるような思いです。健康弱者に優しい行政が、実現するように願うばかりです。
化粧品成分/美容・健康情報 AtoZ 記事一覧へ
ページトップへ
Hatena
Ameba
Facebook
Twitter
Instagram
無断転載は、ご遠慮下さいませ。