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おにぎり温めますか?
電子レンジが食中毒を引き起こす原因に!
2012年8月に発生した京都府宇治市の集団食中毒は、まことに残念な事件でした。せっかくの救援物資であったはずのおにぎりに適切な保存方法がなされずに、それを食した多くの方々が食中毒を起こしてしまいました。黄色ブドウ球菌によって産生された、エンテロトキシンによる食中毒であったようです。死亡者が出なかったことは、じつに不幸中の幸いでした。
しかしなぜこのような状況下で、地元の食品業者(恐らくはお弁当屋さん)に、おにぎりが発注されたかということです。避難者300人分であれば、コンビニの配送センターに緊急依頼をかけるなり、周囲のコンビニ店の在庫をかき集めれば、充分間に合うはずです。非常時にまで地産地消を、実践する必要はないでしょう。
コンビニで販売されているおにぎりは、常温でも日持ちするように工夫されています。たとえば白子タンパクやグリシンなどのアミノ酸が加えられ、ph調整剤で若干酸性に傾けるといった具合です。食中毒が発生しやすい季節には、まさに安全な救援物資なのです。もちろん、添加物等の良し悪しは別として・・・。
ニュースによれば、おにぎりの製造業者さんからは保冷車で運搬されてきたものの、その後はクーラーをかけた程度の車で搬送といった、残念ながらずさんであったようです。とくに2時間も30℃以上になるような環境下で保管されたという事実に、愕然とした方は少なくなかったでしょう。
この黄色ブドウ球菌やカビのように、人間のそばで活動する、とくに人肌に住みつく菌は、人肌の温度では増殖が高くなります。弊社は化粧品を扱いますが、化粧水のような腐敗しやすいコスメ製品には、パラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤の添加、もしくは冷蔵しながらの使用が不可欠になります。(弊社の手作り化粧水キットは防腐剤不使用としたいため、冷やしながらの使用を採用。)
パラベンの食品添加物としての一般名称は「パラオキシ安息香酸エステル」で、しょうゆやソース等の保存料として使用されます。化粧水等コスメによく配合されるフェノキシエタノールは、経口摂取による毒性が強いため、食品添加物として認められていません。少々横道にそれましたが・・・。
さて、このオニギリですが、コンビニで温めてもらった後にすぐに食しなくとも、上記理由により安全性が高いかもしれません。製造時の衛生管理の高さと、添加物等による日持ちの工夫がなされているからです。とはいえ、万が一のことを考えて、温めたら冷めないうちに消費するのが安全でしょう。しかしご自宅で作ったおにぎりは、いったん電子レンジで温めたら、必ずすぐに食するべきでしょう。
なかには滅菌することを目的に、でき上がったオニギリを電子レンジで温めた後に、お弁当として外に持ち出す方もおられるようです。しかしこれはまったくの逆効果で、とても危険性が高いと考えられます。
各自治体の健康福祉のホームページでは、電子レンジの加熱はよくかき混ぜる程度の注意喚起しかなされていません、しかし電子レンジには滅菌させる力もあれば、菌を増殖させる力もあります。先ほどの化粧水キットの開発段階で、いろいろなことを想定して、常識外の腐敗テストさえも行いました。そのひとつが、電子レンジを使用した腐敗テストです。
その腐敗テストとは、化粧水に菌を植え付け、2つのグループに分けました。1つは何もしないグループ、そして残りは、沸騰しない程度に電子レンジで500ワットの過熱をしました。そして約3カ月後に、細菌検査をしてみました。その結果は・・・。なんと予想に反して、電子レンジで加熱したほうが、爆発的に菌が増殖していたのです。
(後日寒天培地の写真掲載の予定)
パン作りの際にイーストの発酵を促すために、電子レンジで加熱する方法があります。しかしその際のワット数は、イーストにダメージを与えない100〜200ワットで、電磁波でイースト菌に刺激を与えるためのようです。黄色ブドウ球菌等の雑菌は、まさに過酷な環境下でも、しっかり増殖していく力がありそうです。
それであれば、オニギリはラップに包んだまま、100℃を超すようにすれば?
ご存知のように、どうしても加熱ムラというものがあります。流動性の高い水の場合でも、上部だけが沸騰して下部は数十℃程度という場合もあります。オニギリ全体を100℃以上にするためには、部分的にはもっと高い温度になる可能性があります。もしご使用のラップがポリ塩化ビニリデン製である場合は、ダイオキシン汚染の危険性が出てきます。耐熱温度は140℃程度で、それ以上の温度での安全性は保証されていません。ラップがポリエチレン製の場合は、恐らくは熱で破れてしまうでしょう。
以上のことからご家庭で作られたオニギリの、電子レンジでの滅菌は実質上不可能と考えるべきでしょう。オニギリに限らずいったん電子レンジで温めた食品は、冷めないうちに消費してしまうことこそが、食中毒予防になるといえるでしょう。
また「おにぎり温めますか?」とのコンビニの店員さんの言葉には、「もし冷めた後時間が経過した場合は安全のため廃棄すべし。」という文言が付記されていると解釈するべきでしょう。
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