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CS - 化学物質過敏症
誰もが明日なりうる病気
あああ「ハウスシック症候群」などの症状名で、化学物質過敏症(CS)は古くから知られていましたが、厚生労働省が疾病として登録したのは2009年10月という、一般的には比較的新しい病気ということになります。体内における「化学物質」の許容量が満杯に達し、それ以上の化学物質を受け入れることができない状態だと、考えられています。
日本の患者数は1百万人とも言われていますが、正確なところはわかっていません。「うつ病」やその他の心身症、そしてアレルギーなども化学物質過敏症との関係が深いようで、その見分けもつきにくいようです。まだまだ不明な点だらけです。しかし断言できることは、うつ病と同じく、誰にでも発症する可能性がある病気です。
化学物質過敏症を発症してしまうと、あらゆるものに含まれる化学物質、たとえば野菜や米に含まれる農薬、印刷物から出てくる溶剤、そして大気中に含まれる排気ガスまでもが、患者さんを目がけて攻撃してきます。ひとことでいえば、普通の生活ができなくなるのです。
また、私の知る限りでは、過敏になるのは化学物質だけでなくなります。慣れない天然物の匂いまでもが、恐怖となって患者さんを襲います。携帯電話から出る電磁波などにも反応し、患者さんによってはパソコンも使用できず、コンセントを塞いでしまっている方さえおられます。
そもそも私がこの疾病と出会ったのは、
化学物質過敏症支援センター(CS支援センター)さん
との出会いでした。同センターさんは生協さんとの関係が深い、患者さんの支援団体です。
私はタラソ入浴料や手作り化粧水キットなどのタラソテラピー化粧品を扱っていますが、スキンケアの一環として、また海の汚染を軽減する商材として、オーガニック洗剤の開発をしていました。合成洗剤などで海を汚してしまえば、私の事業も消滅してしまうからです。もっともその前に、人類も消滅してしまうかもしれませんが・・・。
「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」のように、ヤシの実などの天然物を化学合成して化学物質となった界面活性剤を使用した洗剤も、広義に「オーガニック洗剤」と呼ばれています。(→
日本アトピー協会さんのホームページに詳細説明があります。
) しかし私の場合は化学合成を行なわず、第三者からみればケッタイな実験を繰り返していました。そのことを知られたある患者さん団体の理事長さんが、私を化学物質過敏症支援センターさんに紹介して下さったのです。
同センターの事務局長さんが会報に洗剤で困っている患者さんを募集し、事務局長さんから紹介頂いた患者さんに、現在は試作品を無償提供させて頂いています。合成洗剤はもちろんのこと、純石鹸洗剤やセスキ炭酸や重曹までもが使用不可で、お湯でしか洗濯できない患者さんばかりです。今のところ試作品は患者さんにほぼ受け入れ可能で、洗浄力もOKなようですが、現在も原料をあれこれ入れ替えたりと、改良を加えているところです。
当然ながら、患者さんと電話でお話する機会が増えます。患者さんは比較的あっけらかんとお話をされるのですが、その内容はすさまじいものです。たとえばある患者さんは、雪が降る寒い夜でも、窓を開けっ放しで寝なければなりません。たとえ建材が気を配られた建物であっても、部屋にあるあらゆるモノから出てくる微細な匂い(化学物質)が、部屋にこもるからです。こちらも胸を締め付けられるような思いです。
在宅中でもこんなに大変ですから、外出時はもっと大変です。バスなどの公共交通機関に乗ると、他の乗客の体臭ばかりでなく、合成洗剤の匂いやタバコの匂い、そして化粧品の匂いや香水の匂いお辛いそうです。とくに一番大変なのが、強い香水の匂いだそうです。「強い」とは、私たち健常者でも、喉や鼻がいがらっぽくなるレベルの強さでしょう。患者さんは人知れずうつむいたまま、もがき苦しまれるそうです。
ですから私も試作品を送る際は、プリントアウトした説明書等は、一旦コンロでインクに含まれる溶剤をできるだけとばし、ポリプロピレンなどのガスバリア性の高い袋に入れた後にヒートシールして、試作品の洗剤に添付します。インクジェットだけでなく、レーザープリンタのインクにも、患者さんは反応してしまうそうです。唯一患者さんに優しいインクは、大豆インクと言われていますが、これは印刷屋さんなどの、業務用に限られています。
私たちが患者さんにして上げられることは何かと考えた場合、極論を申し上げると、排気ガスを出す乗用車を乗るのをやめ、煙を出す工場の操業をやめて、化学物質を含んだ製品の流通をストップさせてしまうということになります。しかしそれは非現実的ですし、私も困ってしまいます。今思いつくことは、下記のことです。
@歩きタバコ禁止は論外のこと、喫煙者は他人に煙を吸わせないように配慮。
A香水はやはり、かすかな残り香が美しい、控え目程度に。
Bシルバーシートでの携帯電話は、やはりスイッチオフ。
これらが徹底されるだけでも、患者さんにかなり優しい社会になるのではないでしょうか。
冒頭に記述しましたが、厚労省に疾病として認められたのは、比較的最近です。そのため多くの患者さんが、未だにお医者さん探しに苦労をされています。多くのお医者さんが、「化学物質過敏症」自体を、ご存じでないそうです。そのため、例えば最低年に1回は、四国から東京の専門医に通われている患者さんもおられます。
このような状況ですから、保険適用となった現在でも、多くの患者さんが経済的に苦労されているようです。とくに就労できない患者さんは、たいへんです。無農薬の玄米や無農薬の野菜などは、私たち健常者でもなかなか常時食せるほど、安価ではありません。
「日本で禁止された農薬の背後に潜む本当の恐怖」で記述させて頂いたように、日本の土壌、とくに西日本の土壌は、分解が困難なβ-BHCに汚染されてしまっています。ですから農薬不検出の農産物は高いコストがかかることは重々承知なのですが、やはり患者さんが気兼ねなく食せるぐらいに、安価になってほしいと思うのです。肉類をほとんど食せない患者さんにとっては、野菜や米が貴重なタンパク源でもあります。
これを書いている私の故郷は兵庫県高砂市で、20世紀後半にPCBでひどく汚染された地域です。しかもPCBの強い毒性が知られた後も、厳重保管されていたPCBが紛失するといった、とんでもない状況でした。(どこか近隣の土地に、PCBがばらまかれてしまったようです。) β-BHC入り牛乳で育ったわけですから、いつ化学物質過敏症を発症しても、おかしくないと思います。
このように私も、農薬だらけの野菜や牛乳を、毎日食しているのは事実でしょう。しかし決してあきらめているわけではありません。やはり人間本来の環境適応能力を信じ、デトックスには心がけています。「老化は腸から始まる」に書かせて頂いたように、上質な渇藻類や乳酸菌食品、そして茸類や納豆などを食し、とにかく腸を大事にしています。
そして少しでも長く、患者さん側ではなく、患者さんを支援できる側でありたいと、願っています。
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