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国が今「海藻摂取」にふれたくないワケ
日本の食文化とWHO勧告によるネジレ現象
本体のホームページでもこちらのブログでも、昆布に関するアクセスが上がっています。まだまだ海藻摂取についての真偽を確かめたいとお思いの読者さんがいらっしゃるようですので、「ヨード行政」ともいうべき問題から、考察していきたいと思います。あくまでも、アルガ・アイ流の推察によるものです。
以前のブログ記事でもお伝えしましたが、国は「ヨード摂取に関して充分に足りている。むしろ摂取過剰気味。」との立場をとっています。ですから天地がひっくり返っても、「海藻摂取をしましょう」とは勧告できないでしょう。しかし「過剰気味」といってもそれはあくまでも「平均で過剰気味」ということであり、ここに注意をしていないと万一の場合、少なからずの方に悲劇が起こる可能性があるのです。
「立場」と記述しましたが、これは学者さんの考え方やWHOの勧告により、大きく左右されます。現在運用されている「厚生労働省・日本人の食事摂取基準2010年度版」では、大人の1日あたりのヨードの上限摂取量は2.2mgとされています。しかし10年前はなんと、3.0mgだったのです。
25%以上も低下させる充分な合理的な理由など、あろうはずがありません。完全にWHOに押し切られてしまったと、みるのが妥当でしょう。今私の手元に、「第六次改訂 日本人の食事摂取基準」(2000年用)があります。ちょうど10年前のものです。下記のようなことが書かれています。
「日本人は、FAO/WHOの安全上限をはるかに超えたヨウ素を摂取していると考えられ、ヨウ素摂取過剰による甲状腺腫や甲状腺機能亢進症の悪化が問題となっており、その治療の一環として海藻類の摂取制限が指示されることがある。しかし、健康人の摂取上限については、明らかな科学的根拠が示されていない。」
この時点でもかなり学者さん間で、意見の対峙がありました。即ち、「ヨードは摂取過剰気味」という意見と、「ヨードはまだまだ不足気味」だという意見です。上記の「しかし」以前と以降は、明らかに相反する意見です。上記の文章のなんとも言えない苦しさは、そのせめぎ合いの結果と解せるわけです。これをもっと率直な表現にすれば、おおよそ下記のような文面になるでしょう。
「WHOがいろいろ文句を言うのはわかる。甲状腺の疾病者が発生しているのは確かだ。しかし日本人には日本人に適した食事がある。何の根拠もなしに、ヨード摂取が過剰だと決めつけてほしくはない。」
ざっと、こんな感じになると思います。
先ほど申し上げたように10年後の現在では、日本側の抵抗は完全に影をひそめ、WHOにそった形となっています。そして国としては、これ以上つっこみたくないというのが、本音でしょう。なぜなら「2.2mg」を厳しく運用すると、大変な事態が生じてきます。
スーパーさんで販売されている昆布の説明書きをみると、「20グラムの昆布を1リットルの水に入れて5人分のお味噌汁・・・」といった表現があります。典型的な、昆布だしベースの、お味噌汁の作り方です。
国は昆布にはグラム当たり1〜3mgのヨードが含まれていると考えています。(私は安全を考え3〜6mgとみています。) ほぼ100%のヨードはダシの中に流出しますので、最低でも4mgのヨード摂取となってしまうわけです。
もし国が2.2mgを厳しく運用するのであれば、この昆布製品は食品衛生法違反になってしまうのです。しかし国は、一切取り締まりません。なぜなら日本の食文化を否定してしまうからです。文化を否定することは民族を否定することにつながり、それは国をも否定することにさえなりかねないからです。
日本は基本的には法治国家ですが、ときどきそのタガを緩みます。お祭りが良い例です。お神輿が交差点を通過する時に車を止めるためには、杓子定規にいけば、必ずおまわりさんの助けが要ります。しかし実際は青年団の方々が、通行車両に協力を求めて、赤信号でもお神輿を通す風景をよく見かけます。おまわりさんはとがめることなく、黙認していますし、止められた車の運転手さんも、お神輿の勇壮さを楽しんでいるようです。
このように国は文化を否定してまでも、積極的に取り締まりは行いません。ただし一旦海藻が錠剤のサプリメントや健康食品として使用された場合は、一気に厳しくなります。なぜならそれは、日本の伝統文化ではないからです。保健所によっては、他からのヨード摂取を加味して、上限摂取量の1/2〜2/3程度にまでヨード含有量を下げるよう、厳しい指導・監視を行います。
以上のように客観的にみて、海藻の摂取量については完全に、「触れてはならない領域」になってしまっています。ただでさえこのような状況なのに、偏食のためにヨード摂取不足の方を心配して、「海藻を摂取しましょう」とでも国民に勧告することは、この10年間の方針と整合性が取れないのです。
また一旦勧告しようものなら、一気にヨード摂取が上がり、WHOからも文句を言われるかもしれないという、極度なジレンマにも陥ってしまっているのでしょう。まさに、引くことも押すことも、そして触れることもできない状況であると、私はみています。
ですから直接関与する国の機関である、厚労省や国立健康・栄養研究所、そして消費者庁は、海藻摂取については尻ごみをしてしまって、どなたも言及しません。わずかに出てきたのが3/14付けの「放射線医学総合研究所」の注意喚起です。その内容は何年も前の資料をまる写ししたと思われるような箇所をも含んでいて、失礼ながら「?」と感じる部分も見受けられます。
そして冒頭の「平均的に過剰気味」を、平坦的にとらえてしまうことについての危険性に戻ります。別のブログ記事にも記述しましたが、昆布が大好きな方は朝夕昆布だしベースのお味噌汁を食しますので、20mg以上のヨード摂取量であることも珍しくありません。いっぽう魚を週に2回程度食し、海藻はサラダにカットワカメを加える程度であれば、ヨードの所要量に足らない場合が出てきます。海産物を食さない方であれば、まずは不足しているでしょう。ここの危険性を指摘している学者さんが、意外と多いのです。
私も店頭販売などでお客さんとお話していると、魚も海藻も食さない方が、けっこういらっしゃいます。そういうわけで、不幸にして放射能漏れが拡大した際に、ヨード摂取不足の方が受ける被害が大きいのではないかと心配し、いろんな民間団体やお医者さんが、ブログなどで注意を促しているわけです。
繰り返しになりますが、国は平均的にしかみていません。また今までの経緯をみた場合、立場上海藻摂取を勧告することなどは、まず無理でしょう。過去の原子力委員会の資料でも、海藻(昆布)によるヨード摂取が被曝時の軽減につながると記述しています。海藻を摂り入れた和食を啓蒙し実践することにより、少しでも放射能に対する防護力を高めておくべきでしょう。
今回の津波・震災で、じつに多くの同胞を失いました。せめてこれから生まれてくる赤ちゃんには、健やかな状態で生まれてきてほしいと、日本人だけでなく世界の多くの方々が願っていると思います。
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