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放射線医学総合研究所の注意喚起に?
被曝後にヨウ素剤服用?(3/15)
3/14付けの「放射線医学総合研究所」さんよりの注意喚起
に、当惑された方が多いのではと思います。
本来であればこのような非常事態には、国の指導に従い、国民一体となって困難を乗り越えるべきだと思います。それはそうなのですが、今回の放射線医学総合研究所さんよりの見解には、素人である私も疑問を感じずにはいられません。
ヨードを含む薬剤は飲用すべきでないことについては異論はありませんが、下記の2点については、かなりの疑問があります。
1.ヨウ素剤服用のタイミング
内閣府所管の「原子力安全委員会」さんの資料第1〜3
では、安定ヨウ素剤の意義として、「人が放射性ヨウ素を吸入し、身体に取り込むと、放射性ヨウ素は甲状腺に選択的に集積するため、放射線の内部被ばくによる甲状腺がん等を発生させる可能性がある。この内部被ぱくに対しては、安定ヨウ素剤を予防的に服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を防ぐことができるため、甲状腺への放射線被ばくを低減する効果があることが報告されている。」としています。端的に表現すれば、被曝前の予防に使用することに、意義があるわけです。
しかし
今回の「放射線医学総合研究所」よりの注意喚起
では、「放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。」としています。これは被曝後の処置ということになります。2つの国家機関から相反する意見があるとに、不安を禁じ得ません。
2.海藻摂取の有効性に関して
まず最初に、ワカメと昆布をまったく同列に扱ってしまっている点に、大きな疑問を感じます。昆布のヨード(ヨウ素)含有量はグラムあたり概して3〜6mgですが、ワカメは概して昆布の1/10です。しかも実質的に流通しているワカメの場合は「カットワカメ」です。カットワカメは湯通しされて塩に漬けられたものを使用しますので、ヨード含有量はさらに低くなります。ですからカットワカメをたくさん摂取したとしてもヨード摂取は低く、放射性ヨウ素に対抗できなくなります。昆布は海藻の中でも別格で、驚異的なヨード含有量を誇ります。そのためフランスなどでは、まるで「毒藻」ともいえるような扱いです。
もしこの注意喚起を作成された方が、カットワカメをもって「被曝に対しての効果なし」と書かれているならば、それは大きな間違いでしょう。
そして次に「コンブはよく噛まねばならず・・・(ヨードの)吸収までの時間がかかる」の記述に関しては、これは全くの誤りでしょう。たとえ細切りにしなくとも、昆布は20分水に浸すだけで、90%のヨードが流出します。これは常識中の常識です。ですから仮に水といっしょに食すると、たとえ噛まなくても、おおかたのヨードが消化器官内に流出するわけです。
このような理由により、この注意喚起を作成された方は、海藻の特性をよくご存じでないと言わざるを得ません。(えらそうなことを言って、すみません。)
引き続き同じ「原子力安全委員会」さんの資料第1〜3 に記述されている内容をみると、昆布についてはおおむね以下のような評価となるでしょう。
@非常時にヨウ素剤の代用として昆布を使用するのはむずかしい
A昆布にはある程度放射性ヨウ素よりの防護効果を認めている。
今私の手元にある本は、福井透先生という、栄養学にも明るい有名な薬剤師の先生が書かれた、「症状改善のためのビタミン・ミネラルの摂り方」という本です。理工系分野に明るい、丸善出版さんの発刊です。その本のヨードの「適量の摂取で期待される効果」には、
「核実験などの放射性ヨードが甲状腺に蓄積し発ガンするのを防ぐ」
と書かれています。被爆事故など、そうそうあってはなりません。ですから事例も少なくなります。そういうわけで徹底的に研究されたわけではなく、経験的な情報によるものによって、「期待」という表現になったのでしょう。
現実に被曝の危機が迫っている場合とそうでない場合をごちゃ混ぜにしてしまうと、真実が見えなくなります。この注意喚起はまるで、日常の海藻摂取によるメリットも、完全否定しているようにさえ受け取れます。このような今こそ和食を見直し、適切な範囲で海藻を食することが、少しでも被曝の危険性から身体を護ってくれることは、疑いのないはずです。なお昆布摂取についての注意点については、過去のブログ記事をご参照下されば幸甚です。
今回のこの注意喚起に、多くの方が困惑されたと思います。非常事態のためか、完全に縦割り行政に陥ってしまっているための、弊害かもしれません。本来なら縦割り行政是正を掲げている消費者庁からこういった情報が提供されるべきであったのかもしれません。とくに、本来なら一番頼りになる「国立健康・栄養研究所」さんは、放射能医学研究所さんにまったくの丸投げ状態で、非常に残念に思います。国の機関がお互いに協力し、正しい情報を国民に発して下さるよう、切にお願いしたいと思います。
そして今まさに原発事故現場で作業されている方々の、無事をお祈りいたします。
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